【週末は女子プロレス#36】31歳の元女子プロレスラー、ライバーで活躍のいま 新天地でも「やっぱり1位になりたい」

元女子プロレスラーの渋沢四季は「一番に思い出すのは練習」と振り返った【写真:新井宏】
元女子プロレスラーの渋沢四季は「一番に思い出すのは練習」と振り返った【写真:新井宏】

現役時代はトータルで103試合 「意外と勝ってますね」

 そして迎えた17年7月16日のデビュー戦。相手は前年デビューの同期生・刀羅ナツコだった。もちろん試合には敗れ、その後もなかなか勝ち星には恵まれなかった。が、同年12月に行われた新人王決定戦で当時13歳の羽南を破り、ルーキー・オブ・スターダムの称号を獲得。これがシングル初勝利という、うれし恥ずかし、変わり種の新人王でもあった。

 また、スターライト・キッドとのシキッドタッグで若手戦線を盛り上げた。18年3月にはこの2人がトーナメントを勝ち上がり、初代フューチャー・オブ・スターダム王座決定戦、キッドが王者になった。現在、若手のためのベルトは羽南に受け継がれている。そしてキッドは、正規軍STARSからヒール軍・大江戸隊に移籍。悲願のハイスピード王者にもなり、すっかり悪の道に染まっている。現役時代に縁の深い2人の成長ぶりを、四季はどのように見ているのだろうか。

「羽南ちゃんは会うたびに背が高くなって、見るたびに強そう! って感じになってますね。前は練習後、方向が同じだったので羽南ちゃん、妹の妃南ちゃん、吏南ちゃんとよく一緒に帰ったんですよ。私の知ってるキッちゃん(キッド)は生徒会長みたいなイメージだったけど、いまはけっこうブラックになってて、キッチャン(どうしちゃったの)?…と思いながら見てます。でも、(マスクの下の)かわいさは変わってないと思いますけど(笑)」

 現役時代はトータルで103試合をこなした。シングルマッチでは8勝11敗。負けっぱなしのイメージが大きかっただけに、「意外と勝ってますね」と本人も苦笑する。ちなみに、キッドとのシキッドタッグでは4勝6敗だった。そんな彼女に最も印象深い試合とは…?

「初めてタイトルに挑戦した仙台での試合ですね(18年8月5日=アーティスト・オブ・スターダム王座戦、ジャングル叫女&刀羅ナツコ&米山香織組vs中野たむ&S・キッド&渋沢四季組)。同期のなっちゃん(ナツコ)と差がついた感じだったので、どうしても取りたいと必死になった試合でした。でも私がなっちゃんからフォールを取られてしまい、試合後大号泣。セコンドについてくれた(岩谷)麻優さんも『よく頑張ったね』と迎えてくれたんですけど、負けてしまって。試合としては、大泣きしたあの試合が一番記憶に残ってますね」

 その後のタッグリーグ戦では中野とのチームでエントリー。しかし、最終公式戦が結果的に最後のリングとなってしまった。この後、欠場に入ったのだ。

「私のせいで負けちゃう感じで申し訳ない気持ちが大きくなって。ちょうど精神的にもすごく落ちてて、試合を見てくださった(OGの)先輩からも心配されるほどでした。そのときはまだ誰にも言ってなかったんですけど、リングに上がると周りの目線が怖くなっていたんです。先輩方からも、いつでもいいから戻っておいでと連絡いただいて、最初は戻らなきゃって気持ちでいたんですけど…」

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