ひろゆき氏“論破”を自己分析「ある程度質問したときに論破的なぶつかり合いに捉えられる」
成田悠輔氏「ちょっとググって、ウィキペディア程度の情報を知っておくぐらい」
多岐にわたるテーマでのガチンコ勝負。事前準備はどうしているのか。データ分野や公共政策にも詳しい学者の成田氏は「ぶっちゃけ言うと、最近はほぼ何の準備もしていないです。ゲストのことを知らない場合に、ちょっとググって、ウィキペディア程度の情報を知っておくぐらいで、あとはほぼ雑談しているのと変わらない感じです。視聴者の方にはちょっと申し訳ないです」と明かした。
番組開始当初は、事前の資料や台本が用意されていたという。成田氏は「番組スタッフが多少は台本を用意していて、それに対抗するために、勝手にメモとかを作っていたんですけど、気付いたら台本がフェードアウトしていったので、対抗する必要がなくなった」と打ち明ける。ひろゆき氏が「じゃあ台本が手を抜き始めたから、成田さんも手を抜いたと?」と聞く。すると、成田氏は「そんな感じで、だんだんグダグダになっていったら、グダグダになっていった方が番組の評判がよくなるという非常につらいパターンです」。
ここで、“論破王”に火が付いた。ひろゆき氏が「台本がなぜ手を抜いたのか、高橋さんに聞いてみますか」と“尋問”。高橋プロデューサーは「台本を書いても無駄だなと思って3回ぐらいでやめました」と返答する。ひろゆき氏が「他の番組では台本通りに進まないものであっても、ちゃんと台本を作るじゃないですか。台本をやめると他の番組だとあまり成立しないのに、なんで『Re:Hack』は成立しちゃったんですか?」と畳み掛けると、高橋プロデューサーは「台本がない方が面白いなと思いました」と答えた。
成田氏は「僕もこういうしゃべる系の番組は筋書きを用意しない方がコンテンツとして面白くなる気がしています。インタビュアーの人がちゃんと準備して、順番通りにこなす形があるじゃないですか。あれはやっぱり、その場でその人たちが考えている趣向とは異なるので、見ている人たちが乗りにくいんじゃないかという気がします」と応じた。台本なしの“生々しさ”が、番組の醍醐味(だいごみ)の1つなのだ。
リモートならではの番組の特徴を捉えているのか。成田氏は「空気の読めない部分やコミュニケーションのズレがどうしても出てきちゃうと思うんですよね。それが、全員がリアルに出演している番組とは、ちょっと違うテンポや空気感を作り出している。そこに独自性が勝手に生まれちゃうという側面はあるとは思います」と実感を口にした。ひろゆき氏は「長く話しがちになりますよね。ラグがあるだろうからと、相手がしゃべっている最中に止めて入るのが難しいこともあって、誰かが話し終わってから次の話をするという流れになります。わりと自分が話したいセンテンスを1個1個話せるというのがトーク番組との違いかなと思います」と語り、意外にも「あっ、突っ込みてえなあと思っても、リモートだからしょうがねえやというのが、ちょこちょこあるんですよね」とも明かした。
□日経テレ東大学
テレビ東京コミュニケーションズと日本経済新聞社が「本格的な経済を、もっとたのしく学ぶ」をコンセプトに立ち上げたYouTubeチャンネル。さまざまな経済・ビジネスコンテンツを気軽に楽しめる内容に仕立て、幅広い世代のビジネスパーソンに向けて提供している。