藤井 風は“日本ポップスの完成形” 紅白で大注目、幅広い層に支持される理由とは?
藤井 風は私たちの人生を肯定してくれる
藤井はどこにいても、変わらない。紅白の大舞台でも圧巻の演奏後に、素朴な岡山弁の語り口で視聴者を安心させてくれた。そんな飾らない彼を見て、なぜだか不思議に懐かしい気持ちになったのは筆者だけではないはずだ。
その音楽、研ぎ澄まされた言葉、柔らかなたたずまい、そして飾らない岡山なまりで、聞き手一人一人の人生を丸ごと肯定してくれているかのようだ。
まるで「あなたもそのままで、ええんちゃいますか?」とでも言うように。
この閉塞感漂う時代にさっそうと現れた、まったく新しいタイプの音楽家・藤井風。彼の歌は未来への希望に満ちあふれている。紅白の大舞台で彼が伝えてくれたのは希望のメッセージだ。それこそがポップミュージックに流れる永遠のテーマだと筆者は思う。
昭和世代のMusic Loverのみなさん! まだ体験していない人はぜひ聞いてみてほしい。藤井風の音楽はしっかりあなたの心にも届くはず。そう確信する。
□成瀬英樹(なるせ・ひでき)作詞・作曲家。1968年、兵庫県出身。92年、4人組バンド「FOUR TRIPS」結成。97年、TBS系ドラマ「友達の恋人」(瀬戸朝香・桜井幸子主演)の主題歌「WONDER」でデビュー。2006年、AAA「Shalala キボウの歌」で作曲家デビュー。AKB48提供「BINGO!」「ひこうき雲」、前田敦子「君は僕だ」「タイムマシンなんていらない」などがトップ5ヒット。16年、AKB48のシングル「君はメロディー」でオリコン年間チャート2位を記録するミリオンセラーを達成。21年、乃木坂46「全部 夢のまま」を作曲。
○成瀬英樹公式HP:https://hidekinaruse.com/
○YouTubeチャンネル「成瀬英樹のポップス研Q室」:https://www.youtube.com/channel/UC_RUkkST9KnBykcR9ZhTcpQ