ちゃおガール、さくら学院を経て女優の道へ 主演に抜擢された18歳「奇跡みたい」

元さくら学院の新谷ゆづみ(18)と日高麻鈴が、映画「麻希のいる世界」(公開中、塩田明彦監督)で初主演を果たした。まったく性格の異なる少女2人が運命的に出会い、バンド活動をしていくという青春ストーリー。ちゃおガール、さくら学院を経て、女優の道を歩んでいる新谷は「新たな節目となりました」と語った。

自身が演じる主人公・由希について語った新谷ゆづみ【写真:荒川祐史】
自身が演じる主人公・由希について語った新谷ゆづみ【写真:荒川祐史】

新谷ゆづみインタビュー、映画「麻希のいる世界」で初主演「新たな節目となりました」

 元さくら学院の新谷ゆづみ(18)と日高麻鈴が、映画「麻希のいる世界」(公開中、塩田明彦監督)で初主演を果たした。まったく性格の異なる少女2人が運命的に出会い、バンド活動をしていくという青春ストーリー。ちゃおガール、さくら学院を経て、女優の道を歩んでいる新谷は「新たな節目となりました」と語った。(取材・文=平辻哲也)

 デュオ“ハルレオ”(小松菜奈、門脇麦)の最後のツアーを描く映画「さよならくちびる」(2019年、塩田監督)で、ハルレオのファンの女子高生・麻希と由希をそれぞれ演じた新谷と日高。テレビの街頭インタビューで「ハルレオのどこが好き?」と聞かれるシーンで、日高がいきなり歌い出し、それを見守る新谷。その2人の演技が塩田監督の心をつかみ、オリジナル脚本による2人の主演映画が作られることになった。

 わずか数シーンの出演から主役抜てき。「奇跡みたいですよね。初主演だからといって、変わったわけではないですが、新しい作品に出会った感じが大きくて、新たな節目になった気がします。新しく学びがありました。監督からは、『主演だからといって、現場の雰囲気を盛り上げたりとか、そういう気遣いは全くしなくていいから。役のことだけ考えて。役についても、素直に演じて』という優しい言葉をもらっていました」と振り返る。

 重い持病を抱え、ただ“生きていること”だけを求められて生きてきた高2の由希(新谷)と、男がらみの悪い噂が絶えない麻希(日高)の物語。麻希の勝気なふるまいは、由希にとっての生きる希望となり、二人はいつしか行動を共にし、麻希の美しい歌声に魅せられた由希は、その声で世界を見返すべくバンドの結成を試みていく……。

「最初はまったくつかめなかったです。どうして、こういう展開になるんだろうと謎だらけだったんですけども、読んでいくうちに共感できる部分がすごく見えてきました。重い病気を持っているという要素はあるんですけども、内面は熱く、強い意志を持っている女の子だと感じました」

 新谷と日高の役は監督による当て書きだが、由希は常に怒りを秘めた女の子。「私にも、そういう負の感情はもちろんあって、裏返した自分を描いてくださった監督がすごいなと思いましたし、すごくうれしかった。私も、この歳ならではの、常に何かに怒っているという部分は私にもあるなぁと思えたんです。それは何かがうまくいかない自分自身への怒りでもあるのかなぁ」。

 撮影は2020年12月。劇中では、時にギスギスした関係も見せる新谷と日高だが、プライベートでは仲良し。「撮影してない部分では結構みんなでワイワイ楽しくお話していました。そのギャップも面白かったです。役として話すのではなく、本人同士として、役について討議するのが楽しかったですね。監督は少し天然な部分もあって、麻鈴とは『監督って面白いよね』と話していました」。

次のページへ (2/3) 中学までは和歌山、高校を機に上京、大学には進学せず女優業に専念
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