「保育園落ちた日本死ね」から6年、待機児童の現状は? 大きく改善した“激戦区”も

例年、1月下旬ごろから審査結果が出始める認可保育園の入園可否。SNS上では今年も審査に落ちた保護者の悲嘆にくれる声が相次いでいる。2016年には「保育園落ちた日本死ね!!」と題した匿名ブログも話題となったが、あれから6年、待機児童問題はどれくらい解消しているのか。

待機児童問題はどれくらい解消しているのか。依然として課題は多い(写真はイメージ)【写真:写真AC】
待機児童問題はどれくらい解消しているのか。依然として課題は多い(写真はイメージ)【写真:写真AC】

待機児童問題の現状 施設や定員などの実数では大きく改善

 例年、1月下旬ごろから審査結果が出始める認可保育園の入園可否。SNS上では今年も審査に落ちた保護者の悲嘆にくれる声が相次いでいる。2016年には「保育園落ちた日本死ね!!」と題した匿名ブログも話題となったが、あれから6年、待機児童問題はどれくらい解消しているのか。

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「20箇所書いて全部だめ。来週から無認可片っ端から電話」「31個、希望園書いたのに決まらないって異常すぎる。まじドン引き」。今、「保育園」や「保活」などの単語で検索をかけると、ネット上には認定保育園の審査に落ちた保護者の嘆きの声があふれている。

 6年前には匿名の個人ブログのタイトル「保育園落ちた日本死ね!!」が新語・流行語大賞でトップ10入りを果たすなど大きな話題となったが、保育の現場はどれだけ変わったのか。

 全国有数の“入園激戦区”として知られる神奈川・横浜市は、09年からの待機児童数の推移をホームページ上で公開している。保育所等の定員数は09年の3万6871人から21年は7万1698人とほぼ倍増しており、09年に1290人、ピークの10年には1552人いた待機児童は、13年以降は十数人~数十人の幅を推移。直近の21年では16人となっている。

 横浜市保育対策課の担当者は「横浜は激戦区というイメージがありますが、実際はエリアによってかなり開きがあります。港北区などのマンション開発が進む新興住宅地はどうしても定員と入所希望数にギャップがある。また、駅前など利便性の高い場所に預けたいといった意向があると、ランクとして希望通りにいかないということは現実問題としてあります」と話す。

 同じく激戦区の印象が強い東京・世田谷区では、15年以降、私立保育園を中心に164か所を新たに認可。20年、21年は待機児童0を達成した。世田谷区の担当者は「出産後も働きたいという人が増加し、需要は依然として伸びている。過去2年は待機児童0を達成し、今年度も0ないし0に近い水準ですが、すべての方の希望通りとはなっていない。引き続き施設を増やしていきますが、認可も認可外も含めて、幅広く見ていただければと思います」と説明した。

 施設や定員などの実数では大きく改善している待機児童問題。ただ、ネット上に「保育園落ちた」の声がやまないのは、最終的にはどこかの保育園に入園できても、希望とは異なる家庭が多い証左でもある。また、自治体の集計にカウントされない隠れ待機児童問題もある。子育て世代の共働きや利便性の高い保育所への需要は年々増加しており、さらなる対策が求められそうだ。

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