大日本プロレス・野村卓矢がハンドクリームでのケアを欠かさなくなった理由

首4の字固めで攻め立てる野村卓矢【写真:柴田惣一】
首4の字固めで攻め立てる野村卓矢【写真:柴田惣一】

王座奪還へ「ベルトを失ったからと言って、一番後ろに並ぶつもりはない」

 大日本プロレスの野村卓矢にある日、ファンから差し入れが届いた。「以前に、握手してもらった大きくて温かい手を今でも覚えています。コロナ禍で私も手荒れがひどく、ハンドケアが欠かせませんが、野村選手も手が荒れているのではないかと心配です。良かったらこれをお使いになってみて下さい。一日も早くコロナが収束して、また握手できる日が来ることを願って贈ります」という手紙と共に、ハンドクリームが入っていた。

 プレゼントはタオルやTシャツ、食べ物が多く、ハンドクリームをもらったのは初めてで、ちょっと戸惑った野村だが、何度か使って行くうちに、徐々に手荒れが改善されてしっとりしてきたそうだ。

 小さい頃、母や祖母がハンドクリームをぬっているのを見ていた野村は「料理や洗濯など家事をする女の人がぬるもので、男がましてプロレスラーがハンドクリームなんて……」と正直思っていたそうだ。ところが、試してみると想像以上に効果がある。しかも、べたつかないものや、いい香りがするものなど、色んな種類のクリームがあることを知ったという。

「コロナが収まったら、きっとまたファンの方々と握手できる日が来る。その時、ガサガサに手荒れしていないよう、ハンドケアも続けて行く。器具を握るので手の平のマメはどうしようもないけど、手荒れのない手で握手したい」とにっこり。

 元々、ファンサービスには定評のある大日本プロレス。来るべき日に備えて、手荒れを治すというのもファンサービスの一環ではないだろうか。そのプロ意識には感服するばかり。

 現在、シングルリーグ戦「一騎当千」の真っただ中。今年はストロングブロックで、野村も参戦している。1・2後楽園ホール大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座を岡林裕二に奪われてしまったが、一騎当千に優勝すれば、大日本初進出の5・5横浜武道館大会で挑戦できる。

「ベルトを失ったからと言って、一番後ろに並ぶつもりはない。一騎当千で優勝してまた挑戦する。何度でも戴冠する」と語気は鋭い。リング外ではスイート、リング内では激辛。手はしっとりしたが、ヒリヒリした殺気あふれる試合と強気の姿勢を崩さない野村卓矢の反撃に期待だ。

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