「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の仕掛け人が第4回大会メンバーに贈る“感謝のメッセージ”【後編】
最後に勝負を分けたAKB48岡田奈々の歌とステージへの強い思い
■田口愛佳(AKB48)
・決勝大会進出:初
・1曲目/10月無口な君を忘れる(あたらよ)
田口さんはまだ若いのに、艶のある雰囲気をまとった歌を歌える。AKB48の新チームKキャプテンを任されて、18歳ながら実力もしっかり伴っているメンバーという印象です。
今回、お芝居から始まる曲を選んできていておもしろいな、と。TBSのドラマ系の仲間が「お芝居イケてるね!」とたたえていたくらい、冒頭のセリフ部分の表現力は見事でした。
一方で、全体的には初めての決勝大会でキョトンとしていた部分があったというか、若干のまれてしまっていた感は否めません。このステージを経験して、次からが本当の戦いになると思います。
次回以降の中心人物になるべきメンバーだし、新チームKのキャプテンとしてもいい姿を見せてほしいです。
■古畑奈和(SKE48) 第3組同率1位通過/最終結果:4位
・決勝大会進出:2大会連続2回目
・1曲目/I bed you(Aimer)
・2曲目/U(millennium parade × Belle)
ある意味、もう優勝です。全メンバーの中で、1曲目の最高得点は古畑さんと岡田(奈々)さん。もし1曲目だけで勝敗を決めていたとしたら、同点優勝という大変な結果でした(苦笑)。
古畑さんがすごいのは、手の動きや角度、表情、目のさばき方、声の吐息の入れ方、すべてが音合わせとかリハーサルのときと変わらないパフォーマンスを本番で披露しています。しかも、ネイルが一つだけ水色になっていて、顔に手をかけた時に涙に見えるように工夫していたり、髪の色、メイクの仕方まで、あのステージで何を表現できるか、自分ができることはすべてやってきている。
それは何を物語っているか。ここにたどり着くまでに、恐ろしいまでの研究と予習をしているんです。古畑さんに関して誤解していけないのは、インパクトと表現力だけの人ではないということ。もともとのセンスと努力、音楽的に細部まで精査された歌唱。そして、そこに加わるステージに立つことへの徹底的なプロ意識は、古き良きSKE48のイズムというか、「古畑さんはやっぱりSKE48だな」と感じました。Ms.OOJAさんは、ずっと古畑さんの話をしているくらい、ファンになって帰っていきました(笑)。
2曲目の冒頭で音声機材のトラブルがあって、少しお待たせしてしまい、古畑さんやバンドメンバーのみなさまには本当に申し訳なかったと改めてお詫びしたいです。古畑さんは今回、本番前にかなり緊張していました。おそらく、ほかのメンバーは古畑さんが緊張しているなんて微塵も思っていなかったはずです。ただ、トラブル中もトークでつないでくれたうえに、リハーサルとほぼ変わらない歌を歌っていた。応援メンバーの江籠(裕奈)さんもそうですが、僕の中で言う“SKEガチ勢”は、ステージ上で何があってもプロ意識を貫ける人たち。古畑さんの背中はカッコ良かったし、ほかのグループのメンバー、そしてSKE48の後輩メンバーたちも見てほしいです。
■岡田奈々(AKB48/STU48) 第3組同率1位通過/最終結果:優勝
・決勝大会進出:4大会連続4回目
・1曲目/名前のない怪物(EGOIST)
・2曲目/未完成(家入レオ)
岡田さんがいなければ、僕はこの大会を第4回までできていないでしょう。48グループの中でも先頭にいるべき彼女は、すでに結果を出していて、歌唱力No.1決定戦に出るメリットは正直少ないと思います。しかも、自分のことよりも周囲のことを優先する利他的なキャラクター。第2回のときは2曲目でミスをしてしまった直後でも、落ち込んでいた(元AKB48の)矢作萌夏さんをずっと慰めていました。
そんな方が今大会の予選のときから、「どうしても優勝したい」「主役になりたい」と言ってくれて、泣きそうでした。岡田さんがそう思うことがどれだけの変化・覚悟だったか。予選でも決勝大会でも見事な歌で、2曲目の「未完成」は自分の人生をむき出しにして歌い切ってくれた。技術や実力に関しては最終結果の上位4人(岡田、池田裕楽、矢野帆夏、古畑奈和)に差はなかったと思いますが、岡田さんの歌とステージへの思いが何か力を加えていたと思います。優勝が決まった瞬間、あんなにもやさしい拍手があるかというくらい、会場が彼女を祝福していましたし、すべてを物語っていました。
改めて、自分がやってきたことのすごさを見つめてほしいですね(笑)。岡田さんの優勝が決まった瞬間、AKB48とSTU48の後輩たちがどんな表情をしていたかをぜひ岡田さんに届けたい。2月(23日)に放送予定の舞台裏ドキュメントでは、いろんな場面を撮っていますので。
歌唱力No.1決定戦に出ることはすごく熱力を要するので、おそらく今後は自分の将来のため、グループのために、ソロでの活動に重きを置くということで出場は今回が最後と言っていました。岡田さんにずっと助けてもらってきたこのイベントで、最後に優勝というお返しができたことが、やってきて良かったなと思いました。本当に感謝しかありません。岡田さんのこれまでの歩みは、48グループメンバーに「自分の覚悟と努力で未来は変えられる」と勇気を与えてくれるのではないでしょうか。