「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の仕掛け人が第4回大会メンバーに贈る“感謝のメッセージ”【前編】
STU48今村美月は「音楽がうまい」
■今村美月（STU48） 第2組1位通過／最終結果：7位
・決勝大会進出：初
・1曲目／ブギートレイン’03（藤本美貴）
・2曲目／A Woman Needs Jazz（JUJU）
今村さんのステージ上で躍動するパフォーマンスは見事でした。もう一つ注目してほしいのは、“しっかり歌っている”こと。「ブギートレイン’03」はすべての音符を正しいピッチで歌っているし、生バンドとともに一番気持ちのいいリズムで歌っているんです。
その音楽性の高さとアンサンブル能力はトップクラス。音色が強い、高音が強いとかではなく、“音楽がうまい”。これは歌の中でも重要なファクターで、うしろにいるバンドのトップミュージシャンたちを味方にする術を知っているんです。歌唱力No.1決定戦の4回目にして、バンドの作る音楽と自分を上手く合わせてすてきな音楽を作るという新しい戦い方を提示してくれたので、今大会の象徴的な存在の1人だと思います。
2曲目の「A Woman Needs Jazz」も歌いこなしていた点は、バンドメンバーも称えていました。バラードが多いなかで、歌にはこういう楽しさや魅力もあるよねと示してくれた。ステージ上の表情の作り方も素晴らしく、本当にキラキラしていてすてきでした。ファイナリストLIVEでは、貴重なハモリ要員としても期待しています。
■山崎亜美瑠（NMB48）
・決勝大会進出：4大会連続4回目
・1曲目／KissHug（aiko）
リハーサルでの良さを発揮できないまま、本番が終わってしまいました。清水（紗良）さんのように強い思いによって輝く人もいますが、（卒業発表をして）最後の大会というプレッシャーが働いてしまった気がします。
山崎さんは勝負曲を2曲目に温存しました。確実にファイナリストに残るためには、その曲を1曲目に持ってくる選択肢もあった。（同組の）坂本（愛玲菜）さんと今村（美月）さんが本番で見事なパフォーマンスを見せたことで、結果的に裏目に出る形になりました。
山崎さんの魅力は、綺麗な音色と高い音楽性。48グループの仕事に10年近く携わってきて、多くのメンバーの卒業を見てきましたが、久々に心にダメージを負った卒業発表でした。
歌唱力No.1決定戦のステージに山崎さんがいるのは当然だと思っている自分がいて、第1回からすべての決勝大会とファイナリストLIVEに立っているのは、岡田（奈々）さんと山崎さんだけ。その2人が同時に歌唱力No.1決定戦から去るかと思うと、胸が痛くなります。
僕らにとっては恩人というか、感謝しかないメンバーの1人。個人的には、NMB48を卒業しても大好きな歌と音楽は続けてほしいし、またどこかで一緒に音楽の仕事がしたいと心から願っています。
□竹中優介（たけなか・ゆうすけ）TBSテレビ局員プロデューサー。中学・高校・大学と吹奏楽部に所属し、トランペットなど楽器のほかアレンジも行い、学生時代は音楽漬けの日々。「輝く！日本レコード大賞」のスタッフを長年務め、ミュージシャンにも負けない“音楽ガチ度”を誇る。日向坂46ドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」など、映画監督も担当。
第4回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦 舞台裏ドキュメント
日時：2/23（水）午後7:30～午後8:30にTBSチャンネル1で初回放送。
内容：2022年1月12日に開催された、AKB48グループの中で最も魅力的な歌い手を決める「第4回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」決勝大会の密着ドキュメントがテレビ初放送！ 決勝に進出した20人がステージに込めた思い、緊張感たっぷりのバックヤードの模様など、完全実力勝負の中で4代目チャンピオンとともに生まれた新たな物語が収録されている。
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