東京都の小池百合子知事が21日、都庁で行われた定例会見に出席。国会での感染症法の扱いについて私見を述べる一幕があった。

　この日から都内で適用となったまん延防止等重点措置について、小池都知事は「かつてないスピードで感染が拡大している。感染経路の約5割が家庭内感染。ただ、ウイルスは家庭内で発生するものではない。家庭内に持ち込ませないように感染対策の徹底をしてほしい」と呼びかけだ。

　政府分科会の尾身茂会長が「人流抑制より人数制限」と述べたことについては「報道される際はその部分だけ報道されるものだが、ただ明確にそうおっしゃっている。移動の自粛は基本的対処方針に書かれていること。齟齬（そご）でなく、特措法に基づき準拠しているところ。政府と尾身会長でそこは詰めていただきたい。我々は国や法の範囲で決まったものから判断していく立場ですので」と、明確な基準を示すよう求めた。

　あらためて、都民や飲食店に向けては「できるだけ早くコロナが収まるように協力をお願いをしたい」としつつ、「お願いばかりじゃないかと言われるかもしれないが、それは法律上そうなっている。法律を変えるならどうするか。ただ今回の通常国会で感染症法は何も触らないという話なので。うーん……国会の成すべきことはまさしくそういう危機管理という一番大きなところ。優先順位が違うんじゃないかなと、率直に思いますけども。ちょっと少し話が逸れました」と、本音も漏らした。