【週末は女子プロレス♯33】女優としても活躍する人気レスラー、スターダムなつぽいが2.5次元の舞台に上がるワケ
「プロレスに戻ったら、休んでいたとは思えないような動きをしなければいけない」
劇場には「アサルトリリィ」のファンが多数来場する。もちろん、プロレスラーなつぽいのファンも足を運ぶ。では、どんなところを見てほしいと思い、なつぽいはこの舞台に臨むのだろうか。
「プロレスを知らないで見てくれる人には、アクションを一番見てほしいなと思いますね。メチャクチャ動ける役者だなって感じてもらえたらうれしいです。そこから私がプロレスラーだと知ってもらえたらいいし、逆に私をプロレスラーとして見てくれる人には、ちょっとしたセリフにしても『お、なつぽい芝居してるな!』と思ってもらえればいいですね(笑)。記者会見ではカミカミだったりするんですけど、芝居ではちゃんと真面目にやってるなって(笑)。私のことを知っていても知らなくても、とにかく見てくださる方が物語にのめり込んでもらうことが一番。Lってちょっとせつないところもあるし、感情が見えない分、感情移入してもらえるようなところもあると思います。なので、物語を見てほしいなって思いますね」
プロレスラーとしてこの舞台に臨むなつぽい。しかも、現アーティスト・オブ・スターダム(6人タッグ)王者である。ビッグマッチ連発で波に乗るスターダムと、その団体に所属する現王者の人気選手。今回の舞台参戦は、そこに大きな意味がある。
「以前はプロレスと舞台を両方やっても『プロレスに集中しろよ』とか『芝居やりたいならそっち行けよ』という声もありました。二足の草鞋を認められないというか、両方やってても中途半端に感じられちゃったり。でもいまスターダムに所属して、日本の女子でトップの団体にいる。シングルの(ハイスピード)ベルトを巻いて、いまはアーティストのチャンピオン。そこで迎えた舞台なので、自分がプロレスを本気でやってる証明になってるのかなとも思います。この舞台が決まってからは、両方をこなすという自分の夢、理想に近づいてるなと思いますね」
スターダム参戦がまだ見えなかった20年7月、万喜なつみ(当時)は「フィリピン人の父に投げっぱなしジャーマン」という舞台で座長も務める朱里とダブル主演。その後2人とも時期こそ異なるがスターダムに戦場を求め、同じユニット(ドンナ・デル・モンド)に所属するようになった。当時からなつぽいはプロレスと舞台の両立を目指しており、その考えにはまったくブレがない。それが理想的な形で進化&発展、今回の「アサルトリリィLost Memories」がひとつの成果となるのだろう。この舞台を終えれば、すぐにまたプロレスのリングに帰ってくる。
「プロレスに戻ったら、舞台をやって休んでいたとは思えないような動きをしなければいけないですよね。大江戸隊のYoungOED(スターライト・キッド&琉悪夏&吏南組)が挑戦を待ってくれているようなので、舞華、ひめかと一緒にしっかり勝って防衛(V5)、(V7の)最多防衛記録も更新したいと思ってます。あとはやっぱり、シングルのベルトがほしいなって思いますよね。スターダム、また選手が増えてるじゃないですか。個性的な子がたくさんいるなかでシングルに挑戦するって難しい。でもそこは永遠の目標というか、ハイスピード奪回も含め、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)も狙っていきたいです!」
「アサルトリリィ」のファンをプロレスファン、スターダムファンにすることがなつぽいの役割でもあり、この舞台から得たものをリングに還元するのも彼女の使命。『アサルトリリィ Lost Memories』出演は、プロレスと舞台の両立をさらに拡大させるきっかけになるだろう。大きく飛翔する、なつぽいの活躍に期待したい。