直木賞・米澤穂信氏、ミステリー作品は「非常に大きな軸足」 異色の設定に思い悩んだ経緯も明かす

第166回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、直木賞を受賞した米澤穂信氏(43)が都内のホテルで記者会見に出席した。3回目の候補入りで、受賞作は「黒牢城」(KADOKAWA)。

第166回直木賞を受賞した米澤穂信氏【写真:ENCOUNT編集部】
第166回直木賞を受賞した米澤穂信氏【写真:ENCOUNT編集部】

直木賞はダブル受賞でもう1人の受賞者は今村翔吾氏

 第166回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、直木賞を受賞した米澤穂信氏(43)が都内のホテルで記者会見に出席した。3回目の候補入りで、受賞作は「黒牢城」(KADOKAWA)。

 米澤氏は1978年、岐阜県生まれ。2001年に「氷菓」で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューした。

「大変光栄に思います」と感慨深げ。戦国時代が舞台でのミステリーという異色作が評価されたことについて、「これまでたびたびあったのですが、着想する、ただいざ書くときにいったいこれは出版社から出していただけるのか、読者に喜んでもらえるのかという思いになることがあります。もうちょっと一般的なものを書きましょうか、と申し上げることはこれまで何度もありました。編集者の中には、『いえ、ぜひ書きましょう』と言っていただくこともありました。今回もそうでした。戦国時代のミステリーを書いて、読んで面白かったと思ってもらえるか思い悩んでいたのですが、編集者の方からは『ぜひ書いてください』と。正しかったなと思います」と、執筆の裏話を明かした。

 ミステリー作品は自身にとって、「非常に大きな軸足です。一生変わらないものだと思います」との強い思いを示した。今後の作品について聞かれると、「書きたいことは胸の中にありますが、どれになるか、自分の中でコントロールできないものがあります。ミステリーで、時代や人が重なって、次はどういうものが思い浮かんでくるのか、楽しみ半分です」と語った。

 最後に「なんとかいい小説を書いていきたい、そう思っていました。直木賞をいただき、選考委員の皆さんから『いい小説だね』とおっしゃっていただいたのではと思います。この先、どう言うものを書いていくのが自分の仕事なのか、いまだに分からない部分はあります。ここまでは間違っていなかったと受け止め、次の仕事に向けてやっていきたいです」と未来を見据えた。
 
 直木賞はダブル受賞で、もう1人の受賞者は今村翔吾氏(37)の「塞王の楯」(集英社)。芥川賞は砂川文次氏(31)の「ブラックボックス」(群像八月号)に決まった。

 正賞は時計、副賞は賞金100万円。贈呈式は2月下旬に都内で行われる。

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