海洋ごみの削減へ向けた前段階の調査結果が公表 「モラルのひと言では解決しない」

日本財団と日本コカ・コーラ株式会社は21日、都内で「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」に関する報告会を開いた。

詳細な調査結果が報告された
詳細な調査結果が報告された

「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」に関する報告会

 日本財団と日本コカ・コーラ株式会社は21日、都内で「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」に関する報告会を開いた。

 国際的な問題になっている海洋プラスチックごみ。その海洋ごみは7~8割が陸由来とされ、今回の調査はごみがどこでどのように発生して、河川に流れてくるのかをテーマに実施した。

 調査は昨年4月から6月までに、全国の4地域で行った。河川の50メートルを1区画としてごみの数を種類別に記録するという単純かつ地道な作業を繰り返し、本流だけではなく、支流や用水路を含めて全体を調査の対象とした。調査にかかわったのは250~300人に上り、ドローンも活用した。

 各河川でごみのホットスポットが明らかになり、ごみが発生し、河川に流れ出る背景にはさまざまな原因があることが分かった。

 ごみの発生原因は大きく「投棄・ぽい捨て系」と「漏洩系」に分かれた。

「投棄・ぽい捨て系」ではモラルの問題だけとはいえない社会的問題が浮かび上がった。生活困窮者が有料ごみ袋を購入できずにごみを捨ててしまうケースや、勤務時間の関係でごみ出しの時間に出すことができず、前もって出していたごみがカラスにつつかれて散乱するといった例も紹介された。また人口が少なくても車の通行量が多い場所も、ごみが投棄される傾向にあることが指摘された。

 一方、「漏洩系」では、急激に都市化した新興市街地の問題が鮮明になった。ごみ集積所が河川の近くに設置されて管理が不十分なケースや、自販機の横の容器回収ボックスに一般ごみを投棄することによってごみがあふれ出るなどのルール違反が散見された。

 こうしたごみが知らず知らずのうちに河川に流れ込み、やがて海に到達して海洋生物や生態系を脅かしていく。

 日本財団の塩入同氏は、調査の成果について「ごみの問題は一概にモラル、道徳の問題といわれたてたところもあります。当然、そこの部分に働きかけなければいけないところもありますが、一方で、今の社会の構造の中で出ていってしまっているごみがある」と話した。

 日本コラ・コーラの柴田充氏は「思った以上に漏洩系が多かったというのが率直な実感です。例えば、ラベルもキャップもないペットボトルがかなりある。ポイ捨て系が多い、モラルだというイメージが強かったんですけど、キャップ、ラベルがはがされている瞬間でおそらく飲みながらじゃないんじゃないかなと推測している。実態を正しく理解しないと、モラルのひと言で片づけてしまう。それでは解決しないんだというのが成果です」とまとめた。

 今後は自治体などに働きかけながら、啓蒙活動に力を入れていく。

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(ENCOUNT編集部)

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