【DCU】「海猿」との決定的な違いとは ネット「想像と違った」と戸惑うワケ
TBSが米ハリウッドの大手制作プロダクションと組んだ俳優・阿部寛主演の新日曜劇場ドラマ「DCU~手錠を持ったダイバー~」(毎週日曜、午後9時)の第1話が16日、放送された。「いいか、よーく覚えておけ。水の中でオレたちDCUに不可能はないんだ!」と叫ぶ阿部のせりふが強いインパクトを視聴者に与えた。
昨年末再放送「ドラゴン桜」のイメージがまだ抜けない
TBSが米ハリウッドの大手制作プロダクションと組んだ俳優・阿部寛主演の新日曜劇場ドラマ「DCU~手錠を持ったダイバー~」(毎週日曜、午後9時)の第1話が16日、放送された。「いいか、よーく覚えておけ。水の中でオレたちDCUに不可能はないんだ!」と叫ぶ阿部のせりふが強いインパクトを視聴者に与えた。
(以下、ドラマの内容に関する記述があります)
水中事件事故の捜査を行う海上保安庁の新組織「DCU(Deep Crime Unit=潜水特殊捜査隊)」に所属するダイバー捜査官の活躍を描くウォーターミステリーで初回は25分拡大スペシャルとして放送。阿部は水中の捜査を行うスペシャリスト集団「DCU」の隊長・新名正義(にいな・まさよし)役。初回は群馬県のダム湖を舞台に殺人事件にからむダム建設会社社長の疑惑が描かれた。新名と瀬能(横浜流星)が水深120メートルの湖底まで潜り、眠っていた死体から決定的な手がかりを発見するクライマックスは手に汗握る展開となった。水中に特化した捜査官を描いたジャンルのドラマは世界初の試みで海上保安庁が全面協力している。
海上保安庁の全面協力といえば、海難救助にあたる海上保安官潜水士を描いた「海猿」が思い出される。フジテレビが2004年に映画化した「海猿 ウミザル」は俳優・伊藤英明が主演。翌年に同じ主要キャストで連続ドラマ化され、その後も続編映画が公開された。海上保安大学校の寮生活やプールでの特訓、巡視船による洋上訓練などのシーンを海上保安庁がサポートした。
16日放送の「DCU」初回では警視庁公安一課の刑事・清水健治(山崎育三郎)が新名に「本庁を代表して“海猿さん”のお仕事ぶりを拝見したいと思いまして」と嫌味を言うシーンが登場したため、多くの視聴者が「DCU」は「海猿」のような職務と思ったことだろう。
主人公らが水中に潜るという点で「DCU」と「海猿」は似ているが、決定的な違いがある。海上保安官の潜水士は実在する職務だ。京都府舞鶴市にある海上保安学校は同庁の専門職員を養成する教育機関で、潜水士は巡視船艇乗組員等の中から選抜され厳しい潜水研修を受けた後、転覆船、沈没船からの救出や行方不明者の潜水捜索を行う(同庁ホームページより)。
他方、「DCU」は企画の段階で考案された架空の組織だ。四方を海に囲まれた日本では海、湖、河川などに遺体を投棄、隠ぺいする事件が多発している。もし、DCUのような組織が実在すれば水中に関係する犯罪捜査は大幅に進展することは確かで、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」「日本沈没ー希望のひとー」などこれまでの日曜劇場がテーマとしてきた命を守ることや命に寄り添うことの大切さとも結びつく。
さらに言うと、「DCU」の活躍フィールドは実は水中だけではないところが「海猿」との違いだ。群馬県警と「DCU」の合同会議のシーンでは、居並ぶ刑事の前で新名が「われわれDCUが水の中だけを捜査すると思われたらそれは大間違いです。陸(おか)もわれわれの捜査領域です」と胸を張り疑惑の京国建設の捜査に乗り出した。捜査対象が水陸両方であることを明確に説明する重要なシーンだった。
初回放送後、ネットでは「DCU見たけどすごかった。まさかの結末で驚きを隠せなかった」「ハイテク機材使ってたりして最先端技術活躍系ドラマなのかも」「スケール大きいドラマだ」「久しぶりに胸が熱くなりそう」などと歓喜の声が上がる一方、「まさか海猿が出てくるとは思わなかった」「海保だから海猿かなぁと思ってたらドラマの台詞でも『海猿』って出てきた」「海猿見たくなってくる」と過去に大ヒットした同名作品を思い出す声も。
また、「水のシーンより陸での捜査が多めなのは海猿との差別化か」「刑事ドラマ+海猿って感じで微妙」「何で陸捜査してる?」「ちょっと想像と話が違った。もっと海猿してるところが見れるのかと思ったら潜る以外は警察だった」「人命救助ではない感じ」と戸惑う意見も寄せられた。
阿部が主演した昨年の日曜劇場ドラマを挙げて「阿部寛さんカッコいい役だな。ドラゴン桜と少しかぶって見える」「海猿×ドラゴン桜って感じ」「スパンが短くてどうしてもドラゴン桜が頭をよぎってしまう」「年末に再放送した『ドラゴン桜』の桜木先生のイメージがまだ抜けない」「ドラゴン桜とMER合わせてシリアスに寄せた感じ」といった指摘も多数上がっている。