馬場さんの誕生日に新3冠王者が決定する全日本プロレス 設立50周年イヤーの行方は?【連載vol.77】
4月には中央大学レスリング部で活躍した安齊勇馬が入団
このトーナメントにエントリーされず悔しがる大日本プロレスのアブドーラ・小林の存在も忘れてはならない。本来、小林は1・2後楽園決戦でジェイクの3冠に挑戦することが決まっていた。「全日本プロレスに入団しようと思ったが、身長が足りないからと面接で渕正信に落とされた。大日本プロレスで長年、頑張ってやって来たが、3冠に挑戦できるのはうれしい」と、張り切っていただけに「アブ小が入ってないのはおかしい。かわいそうだ」の声が渦巻く。
あくまでジェイクとの3冠戦にこだわっていたが、復帰時期は未定ということから、新3冠王が決定した暁には小林の挑戦表明があるかも知れない。今はまだ時期も対戦相手も分からないが、ぜひとも小林の3冠挑戦は実現させてほしい。
9月18日に18年ぶりの東京・日本武道館大会の開催も決まった。「全日本プロレス50周年記念大会(仮)」と銘打たれているが(仮)が取れた時には、どんな大会名となるのか? 誰が王道マットをリードしているかで、大会のイメージも大会名も左右される。日本武道館まで先は長いが、まずは3冠王者不在のリングで「救世主」となる新王座を手に入れる意義は大きい。
4月には中央大学レスリング部で活躍した安齊勇馬が入団する。甘いマスクに188センチの長身。諏訪魔が太鼓判を押す逸材に今から期待は高まる。
5日に手術を受けたジェイクも「経過は良好」だという。出だしにはつまずいた50周年イヤーの全日本だが、新日本とノアの対抗戦に黙ってはいられないはず。復興のノロシを馬場さんの誕生日(1月23日)に「聖地」後楽園ホールで上げる。
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【写真】アブドーラ小林は流血による貧血予防のために鉄ウエハースにかぶりつく