馬場さんの誕生日に新3冠王者が決定する全日本プロレス 設立50周年イヤーの行方は?【連載vol.77】
ジャイアント馬場さんの誕生日(1月23日)に王道の至宝・3冠王座を手にするのは誰だ? 設立50周年メモリアルイヤーの全日本プロレスが正念場を迎えている。
毎週金曜日午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」【連載vol.77】
ジャイアント馬場さんの誕生日(1月23日)に王道の至宝・3冠王座を手にするのは誰だ? 設立50周年メモリアルイヤーの全日本プロレスが正念場を迎えている。
同じ1972年に設立された新日本プロレスは1・4、5東京ドーム2連戦、プロレスリングNOAHとの全面対抗戦に沸いた1・8新横浜決戦と、華々しくメモリアルイヤーの幕開けを飾った。
かたや全日本はジェイク・リーが負傷欠場に追い込まれ3冠王者不在でスタートするという非常事態。その上、複数の選手、関係者が新型コロナ陽性となり1・9愛知・岡崎大会が中止になるなど、開幕ダッシュに成功とは言い難いのが現実だ。とはいえ、50周年の王道マットをけん引する新王者をトーナメント(諏訪魔VS宮原健斗、芦野祥太郎VS本田竜輝)で決することとなった。
4強戦が争われるのは1・23東京・後楽園ホール大会。なんと馬場さんの誕生日当日である。王道戦士は元より、ファンも天国から見守っているであろう創設者の視線を感じているはず。
思えばジェイクも新王者決定巴戦(VS宮原、青柳優馬=2021年6月26日、東京・大田区総合体育館)を制しての第64代王座奪取だった。このときは諏訪魔がコロナ禍に巻き込まれて王座を返上している。
諏訪魔は9・21後楽園決戦でジェイクに挑み、王座奪回に失敗しており、今回のトーナメントへかける思いは誰よりも熱い。加えて1・3後楽園決戦で世界タッグ王座を芦野とともに戴冠。トーナメント1回戦で諏訪魔が宮原を、芦野が本田を退ければ、5冠王をかけてのパートナー対決ともなる。
芦野は50周年記念イヤーの今年、全日本入りしたばかりで結果を残したいところ。ジェイクの初防衛戦(21年7月22日、後楽園ホール)で挑んでいるが敗れている。それだけに「ジェイクから取らないと。トーナメントに優勝しても暫定王者でいい」と発言。今後10年は続くであろう、ジェイクとのライバル抗争も見据えている。
宮原もジェイクのV3戦(21年10月16日、大田区総合体育館)で60分時間切れの死闘を闘い抜いたが、ベルト奪取はならなかった。手に汗握るジェイクとの攻防が続く熱戦だっただけに、1・23後楽園決戦で第65代王者となり、ジェイク復帰の日を待ちたいところだろう。
本田は12・26東京・新木場決戦の「試練の七番勝負」でジェイクに挑み玉砕。ジェイク率いるTOTAL ECLIPSE入りを直訴し認められたが、その後ジェイクの負傷が発覚した。ジェイクが欠場したときの相手ということでの抜てき。誰よりも悔しい想いをしているであろう親分ジェイクのためにも大金星といきたいが、まずは同じWRESTLE-1から全日マットにたどり着いた芦野との対戦で、爪痕をガッチリと残したいところだろう。