“シバター騒動”に言及のRIZIN榊原CEO「小さくまとまる気はない。今年も冒険する」
RIZINの榊原信行CEOが10日、昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」でのシバターと久保優太の“八百長騒動”について言及。RIZINの公式YouTubeチャンネルの中で説明している。
RIZINに「八百長はない」と断言、シバター&久保への処分は「考えは全くない」
RIZINの榊原信行CEOが10日、昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」でのシバターと久保優太の“八百長騒動”について言及。RIZINの公式YouTubeチャンネルの中で説明している。
年明けから大きな騒動となっているが、榊原CEOがついに口を開いた。弁護士とも相談し、コメントするのがこの時期になったと説明。そしてこう続けた。
「RIZINを2015年に立ち上げて6年。世界中のファイターたちと、ファンと、スポンサー、メディアの皆さんとつくってきたRIZIN。6年の歴史、天地天命に誓って八百長なんて1試合もない。命かけて約束してもいい。ありえない。100%、全部リアルファイト。たぶん見てくれればファンもわかってくれる。そんなちんけなもので、僕らはみんなに感動や興奮を届けようと思っていない。リング上で流すファイターたちの血と汗と涙は100%リアルなものです」
騒動を引き起こした両者への処分などについては「考えは全くない」とし、「我々としては彼らを受け入れた以上は切り捨てるとか、一方的に責任を押し付けて事が収まるものではないと考えています」と説明。
その上で改めてCEOとして、RIZINの今後の方向性についても言及。「これからも物議をかもすかもしれませんが、小さくまとまる気はないです。あらゆることにチャレンジするし、シバターという炎上系YouTuberを、毒にも薬にもなるとわかって、今回も(リングに)上げましたけど、じゃあそういうことをしないかというと、これからも色々な形で話題性のあるカードを組む。そのかわり100%リアルファイト、真剣勝負の中から生まれるドラマで魅了していけるように、自戒の念も込めて。今年も冒険するし、チャレンジもするし、日本の中のRIZINとしては世界の人たちを魅了できるように」と信念を貫くつもりだ。
その理由として「UFCやベラトールと同じコンテンツで勝負していても、一生届かない。彼らがやらない守備範囲も含めてみんなのハラハラドキドキを全力で作りますので、どうかよろしくお願いします。この件は忘れて、2022年前向きに全力で進んでいく道に共についてきていただければと思っています」とした。
以下、榊原CEOの主な発言。
「この試合は何があって、こういう騒ぎになったのか。シバター選手は試合の前から『体調が悪い』、『体をけがしたくない』、『試合をやめたい』。ずっと言い続けてました。シバターというのは格闘技をやる技術も能力もある選手ですが、炎上系YouTuberであることは理解しておくべきだった。交渉の窓口は笹原がやらせてもらっていました。そういう状況の中で、久保選手に対しても(シバターが)試合をすべきか迷っている、というような連絡をしていると、久保陣営からもRIZINに連絡がありました。とにかく『試合を成立させて、やっつけちゃいます。手加減せずにやります』とは言っていました。
その中で久保選手を色々ヒアリングする中でわかってくるんですが、前日の公開計量でも(シバターが久保に対して)ささやいているらしいんですよ。ずっと陽動作戦をしかけていた。まんまと術中にはまってリングに上がった状況だと、見えてきました。我々からすると、シバターのとっている戦術は、正直まぁ品性下劣だし、モラルハザードというか……。ただ本人はスポーツマンシップにのっとることもないわけだし、プロの世界は正々堂々という戦いばかりではない。相手の弱いところをつく、ルールのぎりぎり、契約のぎりぎりのところをつく。なんとか勝つために手段を選ばずに向き合う、汚い手を使いやがってということは、手法は違うけど、これまでもありました。
シバターがしかけたことについて問題があったかというと、個人的にはこんなことしてほしくないけど、これまで格闘技界に関わってきて、事前に選手同士が直接やりとりをして、台本作って、やってもらえませんか、みたいなことはないんですね。契約書上も試合前にコミュニケーションをとることについての規定がない。
当然無気力な試合をしてはいけない、八百長をしてはいけない、ということには罰則はあるが、直接コミュニケーションをとってはいけない、話してはいけないということは規定する必要がなかったので、規定せずきました。今後は契約書の中に、事前に選手とかセコンド、関係者が相手方の選手と直接話すことは絶対禁止する、という条項に入れておきたいと思います。100人いたら99人にはそうする動機がないと思うんだけど、シバターという選手は、僕らが甘かったんですが、彼はどうバズらせるか、炎上させるか、知恵を絞ったと思う。ある部分で、僕らが一本とられた。SNS上での舌戦はあってもいいこと、公の場で色々なやりとりは世界中で起きていること、そういうことはいいと思います」