まふまふと大泉洋、「源頼朝」でつながる“縁” 紅白が新大河PRに異例布陣だった理由
NHK新大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜、午後8時、以下「鎌倉殿」)が9日にスタートする。振り返ってみれば、昨年大みそか放送の「第72回NHK紅白歌合戦」ではこの「鎌倉殿」をPRするため、異例の布陣が組まれた。司会の俳優・大泉洋は源氏のプリンス源頼朝役で出演。紅白の審査員を務めた脚本家の三谷幸喜氏は「鎌倉殿」の脚本を担当しており、同じく女優・小池栄子は主人公・北条義時(小栗旬)の姉で頼朝を献身的に支えていく北条政子を演じる。つまり大泉とは夫婦役で共演するというわけだ。
鎌倉市観光協会試算「鎌倉殿の13人、経済効果は307億円」
NHK新大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜、午後8時、以下「鎌倉殿」)が9日にスタートする。振り返ってみれば、昨年大みそか放送の「第72回NHK紅白歌合戦」ではこの「鎌倉殿」をPRするため、異例の布陣が組まれた。司会の俳優・大泉洋は源氏のプリンス源頼朝役で出演。紅白の審査員を務めた脚本家の三谷幸喜氏は「鎌倉殿」の脚本を担当しており、同じく女優・小池栄子は主人公・北条義時(小栗旬)の姉で頼朝を献身的に支えていく北条政子を演じる。つまり大泉とは夫婦役で共演するというわけだ。
これだけではない。前半を締めくくる企画コーナーでド派手に登場した俳優・松平健は「マツケンサンバII」をゴージャスに歌い踊ったが、松平も「鎌倉殿」に平家の総帥・平清盛役で出演する。紅白のステージ終了後、司会の大泉が松平に「思いのほか、頼朝(大泉)と清盛(松平)がそろっちゃいましたね」とおどける場面があったが、これも「鎌倉殿」をPRする役割があった。新大河にかけるNHKの番組宣伝シフトには並々ならぬ熱意を感じさせた。
実は出演者の中に、間接的ながら新大河PRの役割を担った助太刀がもう1人隠れていた。その人とは、超絶ハイトーンボイスで視聴者を圧倒した“歌い手”のまふまふだ。ネット世代の若者から絶大な支持を集めているまふまふがNHKの時代劇とどう関わるというのか? 実はまふまふは19年9月に楽曲「それは恋の終わり」のミュージックビデオ(MV)の実写ドラマバージョンをYouTubeで公開しており、そのMVの主な舞台となっているのが鎌倉なのだ。
同MVには俳優の佐野勇斗と女優の高橋ひかる(※)が夏の浴衣姿で出演しており、心の距離を感じていく男女の切ないストーリーが大輪の花火を背景に展開される。画面にはまず、江ノ島電鉄「極楽寺駅」の駅舎、次いで光明寺(現在は本堂が改修中)が登場する。決定打は、鶴岡八幡宮内にある白旗神社だ。この神社は1199年に頼朝が亡くなった後、北条政子が頼朝を祭神として創建したと伝えられており、鶴岡八幡宮を創建したのも頼朝だ(鎌倉市観光協会公式ホームページなどによる)。まさに「鎌倉殿」のストーリーをなぞるかのような動画構成で、まふまふのファンがこれらの観光スポットを“聖地巡礼”する様子がSNSに多数上がっている。
「『それは恋の終わり』はまふまふ自身が歌唱、演奏していて再生回数は1200万回を超えています。そんな超人気MVを紅白スタッフが見逃すはずがありません。ネット世代の声を代弁するまふまふの紅白初出演は、スタッフによって入念に練られた新大河盛り上げのための“仕込み”だと見ています」(放送ライター)
まふまふの過去曲は頼朝とつながっていた。紅白の本番ステージでまふまふが「命に嫌われている。」を全身の力を振り絞るように歌った後、司会の大泉が息も絶え絶えのまふまふに「まふまふさん! ひと言お願いします!」と呼びかけたことに一部ファンから批判の声が上がったが、頼朝つながりの2人の会話は必然の流れで、鎌倉が舞台の新大河をPRするうえでもこの演出は外せなかっただろう。
鎌倉市観光協会は「鎌倉殿」の放送による神奈川県内への経済波及効果を総額で307億円と試算しており、「鎌倉市観光協会としましては、今回の大河ドラマの放送が鎌倉市ならびに神奈川県の観光産業の振興につながるよう、市民の皆様、地元経済界の皆様と協力して取り組んで参ります」(同HP)と期待は高まるばかりだ。
※高橋ひかるの「高」の正式表記ははしごだか