日本人初の民間人宇宙飛行士としてISS（国際宇宙ステーション）への渡航・滞在を成功させた実業家の前澤友作氏（46）が7日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を行った。ISSに滞在する12日間の宇宙旅行を終えた後、昨年12月22日にロシアからオンラインで会見していたが、同23日の帰国後、新型コロナウイルス感染防止対策の自主隔離期間を終えて、あらためて思いを語った。（取材・文＝柳田通斉）

――何が前澤さんを突き動かしているのでしょうか。

「小さい頃から挑戦ばかりをしていました。挑戦には批判もつきまといますが、続けたいです。上ばかりじゃなく、マリアナ海溝も潜っていきたいです」

――批判もありますよね。宇宙旅行に。

「ご批判はおっしゃる通りです。ただ、家の屋根が雨漏りした時、屋根の下にバケツを置く活動と同時に、屋根自体などのストラクチャーを改修する根本的な改革・イノベーションを同時に起こす必要があります。その両方をバランスよく、世界のリーダーたち、富裕層のみなさんがやっていくべきというのが、僕の考えです」

――民間の宇宙観光は世界平和にどう貢献しますか。

「宇宙って夢があるよね。ということで、夢を追う姿を見せることを通して、みなさんに勇気を与えられるのでは思っています。だから、チャレンジをやめないです。夢や勇気があれば、そこには平和もついて来ると思っていますので、夢を持つ大切さは生涯、伝えていければと思います」

――宇宙旅行は普及しますか。

「ロケットじゃない渡航手段ができると、一気にマーケットが広がると思います。そこには期待しています」

――他の惑星の植民地化については。

「地球を見て、『俺はずっと地球に住みたい』と思いました」

――その服は。

「帰還のとき、まったく別の場所に着く可能性があるので、サバイバル用のウエアです。今回は着いて20分でレスキュー隊が来ました」

――宇宙に行くと地球に夢中になるということですか。

「風、匂い、季節があることがうれしいです。楽しみは食事でした。家にお寿司屋さんが来てくれました」

――マリアナ海溝に行く具体的なプランは。

「実はどういう潜水艦に乗って行くかはほぼ決まっています。これもお誘いがあって、『行きます』と言いました」