大黒摩季とコラボのイケメンは真面目な苦労人…引きこもり、孤立を乗り越え、「やっと認められた」

夏には東京五輪の聖火ランナーも務めた【写真:荒川祐史】
夏には東京五輪の聖火ランナーも務めた【写真:荒川祐史】

大黒から学ぶ技術の数々「お尻の穴をキュッと締めて」

 その後、所属事務所を移籍。地元に近い愛知・豊橋市のFM局でレギュラー番組を持ち、18年には歌手としてメジャーデビューを果たした。19年夏には婚活サバイバル番組への参加オファーを受けた。同番組の中で披露した自作の楽曲が「I fell in love」。スタッフに発注した小さなピアノ演奏で作曲したバラードに、「♪バラを貰う度に僕は あなたの その心に触れた I fell in love その笑顔に その優しさに」などの歌詞を乗せて歌い上げた。そして、知名度は一気に上がった。家族、友人、知人が喜んだ。大黒もその1人だった。

「摩季さんとの出会いは、番組の撮影に入る数か月前でした。あるイベントでご一緒した際、自分のCDを持って楽屋でごあいさつしました。『ラテンの楽曲です。ラテンを多くの人に聴いてもらいたいんです』と伝えたところ、『私もラテンが好きで』と言ってくださいました。それから1年後、『一緒にラテンをやりましょう』と連絡が入りました。驚きました。完全に忘れられていると思っていたので。聞くと、摩季さんは机の上に僕のCDを置いていて、目に入るたびに僕のことを思い出してくれたそうです」

 當間は20年12月、大黒がリリースしたアルバムにフィーチャリングボーカルとして3曲に参加した。そして、昨年12月16日から「I fell in love」(現在は停止中)と新曲「AZATOI∽RUMBA」を世界配信。両曲とも大黒がプロデュースしている。

「摩季さんからは、さまざまな技術を教わっています。例えば、声を出す時に『お尻の穴をキュッと締めて』と言われました。やってみると、のどに負担をかけずに楽に出せました。ただ、レコーディングで摩季さんからのOKはなかなかもらえず、スタジオも変えて3日かかりました。音源は僕が打ち込みで用意したものでしたが、それにも手を入れていただき、最終的には生バンドを入れて歌う形になりました」

 昨年、當間はトーク番組、イベント出演の機会も多くなり、夏には東京五輪の聖火ランナーを務めた。しかも、静岡県での第1走者だった。

「湖西市は静岡県で最も西に位置するので、トップで走れました。湖西で育って本当に良かったです。地元でもよく、『ローズさん』と声を掛けていただきます。孤独だった頃を思い出して、『ああ、やっと認められたのかも』とうれしくなります」

 當間は、同じ境遇で育った移民の子供たちに奨学金を借りる方法を教えるなど、常に地元への貢献を意識している。その活動も踏まえて、静岡県内のメディアが反応。1月6日放送の静岡第一テレビ「news every しずおか」(午後6時15分)では、「注目の静岡人」をテーマにしたインタビューVTRが流れる予定だ。来日した当時からは想像もつかない状況になったが、當間はここからが勝負だと思っている。

「夢はブラジルでライブを開いて、大黒さんとステージに立つことです。両親、きょうだいも連れて行きたいです。テーマは『湖西から世界へ』。地元も大切にしながら、前進していきたいです」

次のページへ (4/5) 22年の目標は新築した実家のローン支払いと世界進出
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