難病と闘う猪木の姿に一喜一憂した2021年 波乱続きのプロレス界を総括する【連載vol.75】

御年89歳の志生野温夫アナウンサーは「プロレス実況が一番燃えた」と熱い【写真:柴田惣一】
御年89歳の志生野温夫アナウンサーは「プロレス実況が一番燃えた」と熱い【写真:柴田惣一】

猪木のテレビ番組が大反響 インタビューで語り尽くせない思い

 難病と闘っている猪木の姿に一喜一憂した1年でもあった。鈴木健三(KENSO)プロデューサーが密着取材していた「燃える闘魂 ラストスタンド」がBS NHKで放送され、大きな波紋を呼んだ。

 記者も1時間半を超えるインタビューを受けた。全盛期の勇姿、イラクでの平和の祭典、北朝鮮でのリック・フレアー戦など同行取材での予期できない事件、亡き田鶴子夫人との思い出など、猪木への思いはとても語り尽くせなかった。オンエアされたのはごくごく一部だったが…。大好評を呼んでおり、何度でも見たいところだ。

 緊急入院する姿など衝撃的シーンもあったが「すべてをさらして、復活する姿を見てほしい」という猪木の闘魂には、頭が下がる。本当に強い人だから、自分の弱さも見せられるのではないだろうか。

 直近にはおすしをほおばる姿を発信したが、顔色も良く、復活の方向にありそうだ。もちろん油断はできないだろうが、赤裸々に自分の現状を伝える猪木に、勇気と元気を分けてもらっている人も多いだろう。

 猪木に限らずプロレスラーに人生を左右された人はそこかしこにいるはず。記者は大事なことはプロレスから学んだ。まさにワンダーランドだった21年も終わる。

 間もなく始まる新たな年には、どんな名勝負が生まれるのか。新しいスターが生まれるのか。来年は寅(とら)年。勇猛果敢なレスラーたちで四角いマットはどのように彩られるのだろうか。

 22年もまた「一緒にプロレスを楽しみましょう!」。

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