プロゲーマーも「動画投稿とライブ配信は絶対」 ストリーマー転向の元選手が語るキャリアパス

Shomaru7はゲームの“講座”動画が人気を博している【写真:ENCOUNT編集部】
Shomaru7はゲームの“講座”動画が人気を博している【写真:ENCOUNT編集部】

炎上リスクとも冷静に付き合う 攻撃的なコメントは「“便所の落書き”みたいなもの」

 ただ、元プロでも漫然と配信活動をしているだけでは、ストリーマーとしてのファンは付かない。Shomaru7は「まずはリアクション」と意識していることを明かすが、特徴的なワードを生み出し、配信中に何度も使うことで定着させる流れも巧みだ。コメントもシチュエーションに合わせた独自のワードで埋まり、盛り上がりが生まれる。

「最初は“パクり”でやっているものもありましたけどね(笑)。『いつまでやってんの?』と言われても、一生やっていきますよ。自分の使う言葉を視聴者が使ってくれているとうれしいですし、シンプルにいいですよね」

 一方で、視聴者が増える中では“炎上”のリスクも避けて通れないのが現代インターネットだ。Shomaru7は配信中での率直な物言いや盛り上がりのためのワード選択があるにもかかわらず、コメント欄が荒れたり、炎上が話題になったりすることはほとんどない。

「明らかにヤバいことは言わないようにしています。もし汚い言葉を使うとしても、ネタと分かる範囲で、ですね。それに、自分の場合はすぐBAN(追放)してしまうということもありますね。視聴者も炎上目的のコメントは無視してくれますし、モデレーターの方も優秀です。放置はあまりしません。誹謗中傷があっても、すぐにBANです(笑)」

 それでも、BANするにあたってコメントが一度は見えてしまう。攻撃的なコメントにメンタルが落ち込んでしまうというケースも耳にするが、Shomaru7は「わりとすぐ忘れちゃいます」と笑い飛ばす。

「よく言われている通り、“便所の落書き”みたいなものですから、全然気にしていないですね。気にする人は気にしてしまうでしょうし、それは仕方のないことですが、自分は全然気にしていません」

 こうしてライブ配信で面白さと秩序を両立する傍ら、動画投稿では“講座”が特徴的だ。視聴者へのコーチングなども行っており、特に初心者にも分かりやすい解説が人気を博している。

「どんなゲームジャンルでも、講座や攻略は鉄板だと思います。僕が最初にやったのは講座系です。初心者講座やランクマッチの解説、エイムの仕方など。自分自身の過去の経験からも、需要が絶対にあると思いました。実際にやってみたら、数字を見て『やっぱりそうだな』と。講座を出すためにはある程度のレベルが必要かつ、動画をアップするモチベーションがないといけない。継続的に上げられる人がいない中で、その需要を勝ち取ったという認識です」

 レベルという面では、つい最近までプロ選手として活躍していたShomaru7に不足はない。ただ、実力のあるプレイヤーの解説は、「何も分からない」状態の初心者には難し過ぎるという状態にもなりやすい。その問題をクリアし、初心者にしっかりと動画を届けるための秘けつも明かした。

「意識しているのは、考えていることを全部言うことです。それだけでいいと思います。他の投稿者の方にとっては当たり前過ぎて言っていないことでも、それができないから初心者なわけですからね」

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