西暦と同じ標高の山に登る「西暦標高登山」 今年はやぶ漕ぎ必至の難路「オンダシ峯」

毎年、その年の西暦と同じ標高の山に登る「西暦標高登山」。特に2000年以降は登りがいのある山が増え、登山愛好家の間でちょっとしたブームとなっている。

「西暦標高登山」が登山家の間でブームとなっている【写真:ENCOUNT編集部】
「西暦標高登山」が登山家の間でブームとなっている【写真:ENCOUNT編集部】

長野県東筑摩群と木曽郡の群境に位置する標高2022メートルの山

 毎年、その年の西暦と同じ標高の山に登る「西暦標高登山」。特に2000年以降は登りがいのある山が増え、登山愛好家の間でちょっとしたブームとなっている。(取材・文=佐藤佑輔)

 今年の西暦標高山である標高2022メートルの山は、長野県東筑摩群と木曽郡の群境に位置する「オンダシ峯」。日本三百名山の鉢盛山と烏帽子岳をつなぐ稜線上にあるものの、訪れる人は少なく、山頂は深い笹やぶに覆われているのみ。大手登山地図にも当然のように記載はなく、やぶ漕ぎを強いられるなかなかのマイナールートと言える。

 一方で、もう一つの年賀登山、その年の干支にちなんだ名前の山に登る「干支登山」では、東北百名山の秋田県湯沢市・虎毛山を始め、栃木県宇都宮市の寅巳山、山口県光市の虎ヶ岳など、寅年にちなんだ山は各地にあるため、今年はこちらの方がおすすめかもしれない。

 2017年の雲取山など、有名な西暦標高山がある年には多くの登山者が訪れる一方、マイナー年は合致する山を探すこと自体が難しく、長年続けるには根気と高度な登山スキルが求められる西暦標高登山。今年、オンダシ峯のやぶが踏み後で薄くなることはあるだろうか。

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