成人年齢引き下げ、保護者理解に遅れ 18歳で「お酒を飲める」「タバコを吸える」は誤り

成年年齢を18歳に引き下げる民法改正法が、2022年4月1日から施行される。これを受け、プリントシール機業界最大手のフリュー株式会社が、「成年(成人)年齢引き下げ」の法改正に関する調査を実施。公営ギャンブルなど、法改正後も18歳になってもできないことについて、子どもよりも保護者の理解が遅れていることが分かった。

「成年年齢引き下げ」の法改正に関する親子の認知状況
「成年年齢引き下げ」の法改正に関する親子の認知状況

全国の16歳~19歳の女性263人とその保護者198人の合計461人を対象に調査

 成年年齢を18歳に引き下げる民法改正法が、2022年4月1日から施行される。これを受け、プリントシール機業界最大手のフリュー株式会社が、「成年(成人)年齢引き下げ」の法改正に関する調査を実施。公営ギャンブルなど、法改正後も18歳になってもできないことについて、子どもよりも保護者の理解が遅れていることが分かった。

 調査は2021年8月30日~9月3日の期間、全国の16歳~19歳の女性(以下、子ども)263人とその年齢・性別の子どもをもつ保護者198人の合計461人を対象にネットリサーチで実施した。

 成年年齢引き下げの法改正について、「知っている」または「時期は知らないが、成年(成人)年齢が18才になることは知っている」と回答した割合は、子どもで95.0%、保護者で93.5%と、親子ともに9割を超える結果に。昨年度の同調査では子ども94.9%、保護者88.7%となっており、法改正の時期が近付いてきたことで認知がやや高まっている様子がうかがえる。

 成年年齢引き下げについて知った経路については、子どもの61.6%、保護者の82.7%が「ニュース」と回答。また子どもでは31.6%が「授業」と回答しており、当事者となる生徒たちに向けて、学校でもこの話題が取り上げられているようだ。

「民法改正により18歳でできるようになること」への理解については、子ども・保護者共に多くの項目で正解は5~6割程度に留まった。「競馬、競輪、競艇などのギャンブルができる」「お酒を飲める」「タバコを吸える」といった誤った理解もあり、18歳になっても「できないこと」の項目については、いずれも子どもよりも保護者の理解が遅れていることが分かった。

 民法改正後に保護者の許可なく行えるようになる事柄について、「それを判断するとき親に相談するか」、「子どもから相談されると思うか」をそれぞれ聞いたところ、「賃貸契約をする」「携帯電話を契約する」「結婚する」「クレジットカードを契約する」といった項目については、子ども・保護者ともに7割が「相談する/されると思う」と回答。一方で「エステ、脱毛をする」「雇用契約をする(アルバイトを含む)」といった項目では、保護者が思うほど子どもからは相談されないという傾向も見られた。親の知らぬ間に高額な契約や不利な雇用契約をしてしまうなどのトラブルが起こりうるかもしれない結果となった。

次のページへ (2/2) 【図】「18歳でできるようになること」と「18歳になってもできないこと」への理解
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