松山ケンイチが明かす2拠点生活「変な情報で変に傷つかなくてもよくなった」
大自然の中での生活「モノがはっきり感じられるようになりました」
この舞台では、家族が大きなテーマになっている。「自分にもとっても、家族は大事。自分自身にちゃんと栄養として取り込んでいきたい。たとえば、この本や出会う人たちから得られるものはたくさんあって、それで自分の人生についての考え方、生活の仕方も変わっていくことがあるんです」。
プライベートでは東京と地方での2拠点生活をしているが、ライフスタイルの変化は何をもたらしたのか。
「何より楽になりましたね。決まった時期に東京にいる、いないではない。その時々という感じですけども、変な情報で変に傷つかなくてもよくなったし、暗いニュースに引っ張られて、暗い気分になる必要もなくなった。ある意味、人との関わり合いが多すぎたのもあったんじゃないかな」
大自然の中で、好きなことをやり、時に猫の姿を追っかけたり、葉の落ちるさまを観察することも。「そういう、ぼんやりする時間があまりにも少なすぎた。自分は、何も考えたくなかったんだ、求めていたのはそういうことだったんだ、と思いましたね。そのバランスがうまくとれるようになって、モノがはっきり感じられるようになりました」。
それは、俳優業と私生活の切り替えできるようになった、ということか。「いや、切り替えはしなくなりました。気合を入れることもなくなりましたし、スイッチONにするってこともなくなりました。今は割とフラットに話ができる。本番となれば、『ちゃんとセリフをしゃべらなきゃ』とは思いますけど(笑)」。
野菜も育てている。「僕が住んでいるところは冬には雪が結構降るので、秋冬はできないんですが、春先には野菜を植えたりします。ほっておくだけなんですけどね。芽が出て、使う分だけ収穫する。キュウリ、ミニトマト、青ネギ、枝豆。それにレタスなんかも育てるといいですよ。葉を取っていけば、毎日、簡単にサラダが食べられ取れるので、オススメですね」。
2拠点生活は、人生に大きな潤いを与えた。「今はこういう生活をしている人も結構いますよね。いろんな人がここでしか生活できないと思い込んでいる部分はあるかもしれない。そういうものをどんどん取っ払って、自由に生きられたら、もしかしたら、また違った幸せの形も生まれるかもしれないと思います」。