油絵で描かれた遊戯王「青眼の白龍」 原作設定を現実世界へ「次の1000年に残したい」

漫画の設定から現実のカード、そして油絵へ カードを現代アートに昇華

 まったく同じ絵が4枚ある理由は、“原作準拠”のポリシーゆえ。今回の企画の趣旨について、ショーゴさんは「これは遊戯王カードを現代アートに昇華するための試みなんです」と壮大な考えを語る。

「3000年前の古代エジプトの石板から絵画が発見され、天才ゲームデザイナーのペガサス・J・クロフォードがそれをもとにカードを作るというのが『遊戯王』の原作漫画の設定。その後、コナミから実際のカードが発売されて、漫画の中で絵画からカードへ、そして現実のカードへと、これまで3度メディアを移り変わってきたのが遊戯王カードなんです。それを油絵という4つ目のメディアにして、次の1000年に残すというのがこの企画のコンセプト。原作漫画ではブルーアイズは世界に4枚しかない幻のレアカードで、1枚は破られてしまうんですが、現実世界でそれを蘇らせるというメッセージもあります」

 これまでにかかった費用は総額30万円ほど。妻のリューさんからは「『上手ね』とは言われますが、何を描いてるのかは分かってない」という。「遊戯王」への愛から、油絵、そして現代アートの世界にまでのめり込んでいったショーゴさん。4枚のブルーアイズは12月30日、31日に東京ビッグサイトで行われる「コミックマーケット99」でも展示する予定だ。

次のページへ (3/3) 【写真】「ブルーアイズ」の絵を抱えるロシア人妻のリューさん
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