“漫才日本一”を決める「M-1グランプリ2021」の決勝が19日、東京・六本木のテレビ朝日スタジオで行われ、「錦鯉」が最終決戦で7票中5票を集め、6017組の頂点に立った。優勝後の取材に応じた長谷川雅紀と渡辺隆はあふれる感謝の思いを語った。

　優勝が決まると50歳の長谷川と43歳の渡辺は強く抱き合い、大号泣だった。優勝決定から数分後、トロフィーを抱え、会見に登場した2人は感謝の気持ちを口にした。

　お笑い界では“第7世代”と呼ばれる世代などが躍進。若い世代が出てくる中で、史上最年長優勝を飾ったことについて問われた長谷川は「我々はこの年齢やこの芸歴で、新宿や中野、池袋でライブに出させていただいて、コロナ前は月に25とか30本出させていただいたんですけど、どのライブ会場にいっても1番年上で1番芸歴があったりとかっていう中で、ひと回りもふた回りも下の芸人の中でやってきて。それを周りの人間がちゃんと僕らを受け入れてくれた。『うっとうしいな』とか『ちょっと違うんじゃない』と言わずに受け入れてくれた周りにも感謝」と、ともに研さんを積んできた若手芸人たちに頭を下げた。

　渡辺も「若手に感謝ですね。僕らをライブに呼んでくれて、同じように扱ってくれた。若手には頭が上がらないです」と感謝を口にした。

　錦鯉は長谷川、渡辺で2012年に結成された。ソニーミュージックアーティスツ所属。昨年の20年大会は決勝進出で、50代（長谷川）でファイナリストになるのは大会史上初。今大会でも決勝戦進出者の中では最年長で、史上最年長グランプリとなった。決勝の1ネタ目では、655点を獲得し同率2位だった。

「M-1グランプリ」はプロ、アマ、芸歴、所属事務所の制約はなく、「結成から15年以内」という出場資格さえ満たしていれば誰でも参加することができる日本最大のお笑い賞レース。賞金1000万円とブレイク芸人の座をかけ、今年は過去最多の6017組がエントリーしていた。