【二月の勝者】桜蔭合格の前田花恋が豊島岡を選ぶ可能性 女子御三家は“女子四天王”の時代へ

女子御三家の人気度が流動化【写真:ENCOUNT編集部】
女子御三家の人気度が流動化【写真:ENCOUNT編集部】

豊島岡を含めた“女子四天王”の時代へ

 学年あたりの生徒数や各大学医学部にも偏差値のバラツキがあることから単純比較はできないが、立派な成績であるのは間違いない。こうしたことから最近では桜蔭、女子学院を辞退して豊島岡に進学する生徒も報告されている。娘を雙葉に通わせているある自営業者は「豊島岡は先生が生徒の面倒をしっかり見てくれると聞いています。教科書通りではなく先生自らが教材を作ったりミニテストを繰り返すことで各生徒の学力を把握している。それに比べ雙葉はお嬢様校で生徒にあまり干渉しない傾向。成績上位クラスは放っておいても自分で勉強するからいいのですが、下位クラスになると少し心配ですね」

 有名な例え話がある。もし空き缶が落ちていたらどういう行動に出るか。桜蔭生は「本を読んでいて気づかない」、女子学院生は「缶蹴りを始める」、雙葉生は「きちんと拾ってゴミ箱に捨てる」、豊島岡生は「競って取りに行く」なのだそうだ。「とにかく個性的な生徒が多く互いに切磋琢磨(せっさたくま)している感じでしょうか。独自の取り組みとして授業が始まる前に5分間の運針の時間を取ったり、部活も活発で高等学校コーラス部は東京五輪開会式で『オリンピック賛歌』の合唱を披露しました。補習など生徒へのケアが充実していて18年度には高等部が文部科学省のSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)に指定されました。医学部に強いのはこうした背景もあります」(予備校関係者)

 実際に豊島岡に娘を通わせている会社員は「桜蔭ではなくてホッとしています。桜蔭に行って落ちこぼれてしまったらどうしようかという心配が正直ありましたから。その点、豊島岡は学校側が生徒を引き上げようという雰囲気にあふれているように見えます。娘は毎日楽しそうに通学してますよ」と明かす。

「二月の勝者」では、転塾先の最強中学受験塾ルトワックで苦しむ花恋に黒木が「花恋はトップが似合ってる。『その他大勢』にはなってほしくない。もし今、その他大勢になっているとしたら、そこは花恋に合っていない。花恋は女王になれるところでしか輝けない」と説くシーンがあった。ルトワックで挫折を覚えた女王様気質の花恋は果たしてすんなりと桜蔭を選ぶだろうか。よくよく考えるとどんでん返しがあってもおかしくない。

 桜蔭、女子学院、雙葉からなる御三家の時代は過ぎ去り、豊島岡を含めた“女子四天王”として受験プランを考えることの方が適切かもしれない。

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