王道3冠王座に挑戦するデスマッチ戦士 新春の「聖地」後楽園ホールで激突【連載vol.73】
3冠ベルトを奪って師匠ブッチャー超えだ! 大日本プロレスのアブドーラ・小林が、全日本プロレスの3冠王座に挑戦。「本当の王道とは?」と迫っている。
毎週金曜日午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」【連載vol.73】
3冠ベルトを奪って師匠ブッチャー超えだ! 大日本プロレスのアブドーラ・小林が、全日本プロレスの3冠王座に挑戦。「本当の王道とは?」と迫っている。
全日本12・5後楽園ホール大会で、大森北斗を従えた3冠王者ジェイク・リーと激突した小林は、ジェイクを血祭りにあげ、3冠王者からピンフォール勝ちをもぎ取った。これには、コロナ禍で声援が禁止されている客席から大きなどよめきが起こった。すかさず小林は3冠挑戦をアピール。一気に畳みかける。
翌6日の一夜明け会見で、来春1・2後楽園ホール大会で、ジェイクVS小林の3冠戦が正式決定。1月2日の後楽園ホールは、昼は全日本、夜は大日本の大会が開催される。
小林は「3冠はプロレス界の至宝ですから。奪取したらお披露目式をやります」と高らかに宣言。大日本ファンに晴れ姿を披露するという。
実は小林は高校時代、全日本に入団を希望したが、渕正信に「君は小さいから無理だな」と入門を断られた過去を持つ。その後、大日本でデビューし、めぐりめぐって40代半ばにして、3冠挑戦までたどりついたのは、さぞや感慨深いだろう。人生とは分からないものだ。
3冠戦はデスマッチではないが、5カウント以内なら反則が許されるルールを徹底的に有効活用するという小林。反則攻撃、凶器攻撃はお手のものだ。
プロレスはキャリアのスポーツ。ブラインドを突く動きやインサイドワークなど、試合運びでは、キャリア26年の小林に一日の長があるだろう。「新年早々、血の雨が降るぜ」とブラッドレインメーカーを自負する小林は、不敵な笑みを浮かべる。
かたやジェイクは「俺はこの体が凶器だから」と豪語。どんな攻撃も受け入れる構えだ。
全日本では50周年イヤーの幕開けとなる1・2後楽園ホール大会から、リングマットを新しくする予定だが、早々に血染めになることを懸念して、3冠戦のみ現行のマットが使用される。