【週末は女子プロレス#28】引退10カウントゴング中にまさかの撤回 大バッシングから売れっ子になった米山香織のいま
多団体から引っ張りだこの理由 気になる今後は?
現在、交流のない団体間を縦横無尽に駆け回れるのは米山だけと言っても過言ではないだろう。王道の女子プロレスはもちろん、お笑い的な試合もいける。ベルト戦線にも絡めば新人相手の試合もこなす。たとえあの出来事があったとしても、団体が望むスタイルを的確にこなすからこそ、各団体から引っ張りだこ状態なのである。
「もうそこは、みなさんに感謝しかないですね。自分なんか人気選手でもないですし、若くもかわいくもない。いいところ何って聞かれたら、ゴキゲンなところですとしか言えないです。そんな私がいろんなところに上がらせてもらえるのは、ホントにみんなのおかげ。ありがたいです」
米山はこの10年間、ある人の言葉を心に置いて活動を行ってきた。
「引退撤回で謝罪とかあいさつでまわっていたときに、ある先輩から『ヨネちゃん、こんなことしちゃったらあと10年は続けなきゃダメだよ』って言われたんです。そのときはさすがに10年は無理だろうって思ってたんですけど、続けるうちにその10年がホントに近づいてきた。その言葉を守ろうと思ってやってきたわけではないですけれども。心のなかにずっとあったのは事実です。みそぎが終わるってわけじゃないけど、ここは一区切りかなって」
YMZ12・23新木場では、あの映像を流す予定とのこと。「いままでまともに見たことはなくて、当日も見たくないですね、怖いです。でも、だからこそみんなと一緒に見なきゃいけないのかもしれないです」
引退試合も、セレモニーも、10年前に終えた。だからもう引退はないと思っている。さいわい、現在もコンスタントに各団体から求められている。米山がリングを去るのは声がかからなくなったあとのフェードアウトになるのだろう。「この10年間で結婚もしてないですし、新しい趣味が見つかったわけでもない。あのときやめていたらいまどうなっていたか、想像つかないです」と米山。いまでは心の底からゴキゲンに(フキゲンでも)プロレスを楽しめる。彼女にとって、プロレスこそが“第2の人生”だったのだ。