小泉今日子“姉さん”の背中を追って…36歳女優プロデュースの映画が海外映画祭で6冠
海外の映画祭から帰国後は舞台「イノチガケVol.2 命賭~絶対だな?命かけるか?!」の稽古
「申請はホント苦労しました。入力中にデータが飛んでしまって、泣きそうになりました。河野さんは外資系の会社に勤めているので海外映画祭やポスター作り、福宮さんは広報の経験もあったので、ツイッターや広告周り。私は事務所の先輩である佐藤二朗さんに出演をお願いしたり……。各々が力を発揮した、という感じです」
3人は映画制作用の事業口座を開設するなどプロデューサーとして奔走。入念なリハーサルを重ねた上、2日間で撮りきった。当初から海外映画祭への出品も視野に英語字幕も制作した。「ローマインターナショナルムービーアワード最優秀作品賞」「ベルリンインディー映画祭特別賞」などを受賞。ノースイースト国際映画祭では河野、エグゼクティブプロデューサーの鬼頭理三とともに初めて現地入りし、観客の反応を肌で味わった。
「上映中は緊張して、河野さんと手を握り合っていました。冒頭、3人の女性が顔を合わせるところから笑いが起きて、二朗さんの登場シーンでは爆笑。笑いが起きたシーンでは涙が出ました。上映後のQ&Aでも、“精子バンクについて”や、3人はどういう役者なのか、監督のキャリアは? とかいっぱい質問が出て、会場の外でも2時間くらいイギリスのプロデューサー、いろんな国のフィルムメーカーの方から感想を頂きました。映画は価値観、宗教、言葉も違う中でも、こんなに一つになれるんだと実感しました。まさにこの映画の中身そのものだなと感じました」。
3日間の弾丸ツアーだったが、帰路では経由地のドバイ空港で足止めも。「私たちが受けたPCR検査が日本の入管では認めていないものだと分かったんです。その結果が出るまで時間がかかるということで、空港内のホテルに泊まることに。日程が変わってしまったので、申請書類を全部書き直して、新たに許可をもらわないといけなかった。地獄のような思いでしたが、帰国後にオミクロン株に伴う入国制限が規制されたので、ギリギリ帰れた。本当にラッキーでした」。
帰国後は連日、3人芝居の舞台「イノチガケVol.2 命賭~絶対だな?命かけるか?!」(12月22日~26日まで、小劇場楽園)の稽古に臨んでいる。「小泉さんプロデュースの舞台で共演した福島マリコさんから、お声がけいただきました。コント集なので、いろんな役を演じます。36歳にして、セーラー服も着ましたが、そんなに悪くなかったですよ」と笑う。
また、来年1月8日には単独の主演映画「ひとつぼっち」(副島新五監督)の公開も控えている。介護士のヒロインの前に、幼い頃に自分を虐待した母親が認知症となって現れる……というストーリー。「こちらはコロナ前の19年12月に撮影したんですが、編集作業がコロナでストップしてしまいました。気合を入れて撮った作品だったので、どうにかならないかなと思ったのですが、『truth』と1日違いの公開。ぜひ、映画館をはしごして見て欲しいです」。