【カムカムエヴリバディ】算太の帰還はなぜクリスマス NHK「偶然ではないと思う」
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第31回が13日に放送され、出征後、行方不明だったヒロイン・安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が、クリスマスに帰還した内容が描かれた。算太とクリスマス。名前は偶然か意図的か。帰還のタイミングは計算されたものか。制作統括・堀之内礼二郎氏が取材に応じ、事情を明かしてくれた。
制作統括・堀之内礼二郎氏が明かす第31回の舞台裏「まるで濱田岳劇場」
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第31回が13日に放送され、出征後、行方不明だったヒロイン・安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が、クリスマスに帰還した内容が描かれた。算太とクリスマス。名前は偶然か意図的か。帰還のタイミングは計算されたものか。制作統括・堀之内礼二郎氏が取材に応じ、事情を明かしてくれた。
「算太は元々、クリスマスと縁が深い設定のキャラクターです。算太という名前にはこだわりと意味があって脚本の藤本有紀さんが付けた名前。『クリスマスに算太がやってきました』は、きっと温められていたナレーションだと思います。藤本さんが書かれる脚本は、構想も大きいのですが小ネタも豊富。すごく小さなことから発想が生まれ、物語が展開されていくことも多いです。クリスマスの時期に算太が帰ってきたのは偶然ではないと思います」
このタイミングで算太の帰還が放送されたことも構想通りのようだ。
「物語の内容と世の中の空気感というのはとても大事だと思います。12月にドラマの中でクリスマスのシーンが出てくるのは視聴者の皆さんの心情としても物語に入り込みやすいのではないでしょうか」
堀之内氏は、算太を演じる濱田の演技力も高く評価した。
「すごいですよね。見るたびにすごいなと思います。算太は人間として弱かったり、正しい人間ではなかったりするのですが、濱田さんが演じるとちゃんと共感できる人間になる。個人的に『濱田岳論』のような本ができるんじゃないかというくらい、多彩な引き出しと的確な表現力を持ち合わせた素晴らしい役者さんだと思っています」
濱田の現場の様子も紹介してくれた。
「大阪放送局のドラマスタッフとすごく仲がいいので、楽しく過ごしながらやっていただいています。芝居になると、シチュエーション的に難易度が高くて心配なシーンでも、濱田さんが演じると何を心配していたんだろうと思うような仕上がりになっていて。この日の放送はまるで濱田岳劇場のよう。安子からの悲しい報告を説明するナレーションを『いっぺんに多すぎるじゃろう』という一言のせりふで笑いに転化。千吉(段田安則)たちの前では胸の内を押し殺した表現として偽悪的に振る舞い、最後は美都里(YOU)の抱擁におさえつけていた悲しみを爆発させる、その一連の気持ちの流れは本当に見事。濱田さんのお芝居には僕も何度も泣かされています」