レスラー人生20周年「反骨の魂」崔領二の波瀾万丈人生 新たな挑戦の連続【連載vol.72】
「無謀だ、なんて尻込みして逃げたら、何も生まれない」
振り返ってみれば、20年のレスラー人生も内臓疾患で長期欠場を強いられたり、波瀾万丈だった。
「大変な思いを何度もしてきた。正直、心が折れかかったこともある。でも、応援してくれる人たちに励まされて、やってこれた。日に日にサポーターも増えている。まだまだ航海の途中だから」と、静かな口調ながらLAND’S ENDにかける思いは不滅だ。
LAND’S ENDの仲間たちと共同購入していた宝くじで高額当選金をゲットし、分配を巡ってもめたりもしたが、コロナ禍の中でカフェを開き、倉庫業を始めるなど新たな事業に乗り出したことで解決した。
「無謀だ、なんて尻込みして逃げたら、何も生まれない。時間がたってみなければ、誰にも成功なのか失敗なのか分からない。思いは実現しなくては」とリスクから逃げない崔の攻めの姿勢に、一時期はバラバラになりかけた仲間たちの視線が、再び同じ方向を見据えた。
現在は東京、大阪、三重と3か所に拠点を持っている。プロレスラーとしてリングに上がり、ビジネスを手掛け、時には趣味のキャンプも楽しんでいる。アクティブに行動する崔は、いくつものライフスタイルを満喫している。何年たっても変わらず若々しいのは、好奇心と行動力のおかげだろう。
最近、福祉事業への寄付を目的とするプロレス興行会社と競走馬を共同購入した。馬名はフクシマニア。獲得賞金は寄付し社会貢献に役立てるという。崔自身は「競馬にボートレース。ギャンブルは大好き」と笑う。
賛否両論を巻き起こす崔だが、人々への感謝と自身の努力も忘れない。
「ケンカ崔ボーグ」と呼ばれたりもする崔領二。対立を恐れず、うやむやにしないで、とことん議論を尽くす。そのスタンス、歯に衣着せぬ言動で、時には波紋を呼び起こす。荒波に自ら突入していくのも辞さない。何度も大しけに遭遇しながらも、転覆することなく進む「反骨の風雲児」の航海に注目だ。