NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」（月～土曜、午前8時）で「水田屋とうふ」の店主・水田卯平役を演じる浅越ゴエが、このほど、出演が決まった際の気持ちや、古里・岡山を舞台にした作品に出演する思いなどを明かした。浅越は連続ドラマ初出演という。

「“朝ドラ”でキャスティングの話をいただいていると聞いたときは、本当か？　と思いました。いままでになかった話が舞い込んできたので、本当に決定したらこんなうれしいことはないなと。それというのも僕の古里である岡山が舞台と発表されていたので、以前から気になっているドラマだったんです。なので“朝ドラ”に出演というよりも、岡山が舞台のドラマに自分が出演できるんだ！　と思うとうれしかったですね。決まった時はよっしゃ！　と思うとともに不安で怖かったですね。連続ドラマは初めての経験なので、プロの役者さんが勢ぞろいするところで迷惑かけたらえらいことやなあと。でも不安もありましたが、よっしゃ！　という気持ちのほうが上回っていましたね」

　演じるのは御菓子司「たちばな」と同じ商店街にある「水田屋とうふ」の店主で、ヒロイン・安子（上白石萌音）の幼なじみ・きぬ（小野花梨）の父。

「水田卯平という男は、誠実な男です。ユーモアもある。でもユーモアを言っても家族に無視されている。そんなイメージです（笑）。娘のきぬちゃんを見ても、とてもコミュニケーション能力が高い子なので、きっと家族間の会話も多いんだろうなと思っています。まるで湯葉のように家族を包み込むような男ですね。岡山の方言には自信を持って臨んだのですけど、方言の先生に直されましたね（笑）。

　出身は岡山ですが、20年以上も岡山から離れているので、どこか忘れてしまっているんでしょうね。でも先生に言い方を直されるたびに、ぼくの幼い頃の岡山の映像がフラッシュバックして心地のいい時間でしたね。そうだった、隣のおばちゃんがそういうふうに言っていたな、学校の先生がそう怒っていたなと。アドリブも楽しかったです。岡山ことばでアドリブを言うたびに古里の田んぼの風景が浮かんできましたね」

　ヒロインの安子を演じる上白石の印象も紹介。

「上白石さんの印象は本当に柔らかく明るくてさすがヒロインという感じです。現場にいるだけでそこが中心となるような引力を感じましたね。安子ちゃん同様、誰にも壁をつくらないという感じで、現場でもいつも楽しそうで、常にニコニコと共演者とコミュニケーションをとっていました。いったい、いつどこでセリフを覚えたり練習したり、緊張感を保っているんだろうと不思議に思って見ていましたね。台本を読んでいるところは一度も見たことがない、それなのに本番でNGを出さない。感動しましたね。なので、ぼくは台本をめっちゃ出しづらかったです（笑）」

　最後は作品と自身の役をPR。

「激動の人生に立ち向かっていく安子ちゃんとその周りの人たちの戦う姿をぜひ楽しんでほしいですね。ヒロインを見守る卯平は物語の小さなパーツではありますが、商店街の人を湯葉のように包み込む僕を見ていただきたいですね。とても勇気を与えてくれるお話です」