永田裕志、新日本最年長53歳でも闘い続ける理由 地元東金で進む“壮大計画”は「自分の天命」
新日本プロレスの永田裕志が団体最年長の53歳で奮闘を続けている。28日に地元千葉で開催する東金アリーナ大会も通算9回目となった。かつてIWGPヘビー級王座10回の防衛を果たし、ミスターIWGPと呼ばれたベテランは、押し寄せる年齢の波にあらがうように「IWGPを取って俺は引退するんだ」と血気盛んだ。しかし、その肉体は満身創い。第一線で闘う永田を支えるものはいったい何なのか、直撃した。
年間150試合から3分の1に出場減 怠らない“100%”出す努力
新日本プロレスの永田裕志が団体最年長の53歳で奮闘を続けている。28日に地元千葉で開催する東金アリーナ大会も通算9回目となった。かつてIWGPヘビー級王座10回の防衛を果たし、ミスターIWGPと呼ばれたベテランは、押し寄せる年齢の波にあらがうように「IWGPを取って俺は引退するんだ」と血気盛んだ。しかし、その肉体は満身創い。第一線で闘う永田を支えるものはいったい何なのか、直撃した。(取材・文=水沼一夫)
東金大会は今年で9回目。昨年はコロナ禍で実現できなかったが、初めて開催した2007年からコンスタントに続けている。2年ぶりの開催は、コロナ対策で会場の収容人数は約半分までに抑えられる。永田はメインイベントに出場し、「ワールド・タッグリーグ2021」公式戦でタイガーマスクと組み、鈴木みのる、TAKAみちのく組と対戦する。
「非常に闘いがいのある相手だし、俺らが思っている以上に周りが楽しみにしているカード。組んでくれた会社に感謝ですね。バッドエンドに終わらせないためにもがっちりいく。気合入るし、負けたくない。去年開催できなかった分まで楽しんでもらえたら」
53歳での現役は新日本では最年長。リングに上がれば若手と遜色ないファイトを見せる。引退を決意する同世代も多い中、コンディションを保ち続ける秘けつは何なのか。
「体にはカネ使ってるからね。疲れなんか酒飲んで一晩寝れば治っちゃったときとは違う。治療やマッサージ、整体、はり、水素吸入して体の疲れを取ったりしている。食事もいいものを食うようにしている。レスラーは自分の体にカネをかけないとダメ。楽な仕事じゃないし、ケガのリスクも大きい仕事。体はしっかり維持できている」
何より、豊富な練習量が支えている。若い頃から誰よりも道場に姿を現し、出待ちする報道陣にも“練習の虫”として知られた。もともとは日体大出身のアマチュアレスラー。ベテランになっても、汗を流すことを嫌がらない。
「体を動かさないと不安なのもあるし、ごはんがおいしく食べられない。習性だろうね。小学校、中学校のときから休みは日曜だけ。昔、1か月半欠場したときは、ちょっと体のバランスが崩れた。今はコロナになって練習時間は限られている。道場の使用時間が午後1時から4時くらいまで。限られた時間の中で、どれだけ追い込めるか、工夫してやっている。練習の質は変わったけど、集中して2時間、2時間半びっしりやってますよ。年齢が上がると、ウエートトレーニングに偏りがち。でも、レスリング系の動きをしないと体が硬くなっちゃう。心肺機能を上げたり、若手を捕まえてレスリングのスパーリングをガンガンやったりしている。汗をかくのは好きだからね」
今年でデビュー29周年を迎えた。かつては年間150試合以上をこなしていたが、近年はコロナの影響もあり、50試合程度と3分の1まで試合数が減った。常連メンバーだった“真夏の祭典”G1クライマックスにも17年を最後に出場しなくなった。
「だからこそ、リングに上がったときはいい状態でいないといけない。100%の永田裕志を出す努力はしている。なおかつ、しっかり自分のスキルというか、コンディションを磨いておかなきゃとより思いますね」