風祭ゆき、薬師丸ひろ子は「最初から熱い塊を秘めていた」 「セーラー服と機関銃」秘話明かす

女優の風祭ゆきが23日、東京・テアトル新宿で開催中の角川映画祭のトークイベントに出演し、映画「セーラー服と機関銃」(故・相米慎二監督)の主演女優・薬師丸ひろ子との撮影エピソードなどを明かした。

トークイベントに出席した風祭ゆき【写真:ENCOUNT編集部】
トークイベントに出席した風祭ゆき【写真:ENCOUNT編集部】

メガホンを取った相米慎二監督の没後20年

 女優の風祭ゆきが23日、東京・テアトル新宿で開催中の角川映画祭のトークイベントに出演し、映画「セーラー服と機関銃」(故・相米慎二監督)の主演女優・薬師丸ひろ子との撮影エピソードなどを明かした。

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 角川映画45年を記念し開催されている企画で、映画「犬神家の一族」「蘇る金狼」「時をかける少女」などエンターテインメントに徹した全31作品が同所などで上映されている。

 映画CMで機関銃をぶっ放しながら「カ・イ・カ・ン!」とクールに言い放つ薬師丸が、その人気とともに社会現象にもなった「セーラー服と機関銃」に、謎の女・マユミ役で出演した風祭は「何年かに1度、BS(放送)などで見ますが、つくづく楽しいと思う作品です」とにっこり。「本当に出演できた幸せでした。こんな幸運がある? どうして私に(出演依頼が)来たんだと作品を見るたびに思います」と、自身にとっても大切な作品になったことを伝えた。

 今年は、メガホンを取った相米監督の没後20年にあたる。「朝からリハーサルが始まり、何度も『もう1回!』『違う』『もう1回!』『逆』、そういうやり取りをしながらも具体的なことを言ってくれない」と相米監督の手法を明かし、「高校生になっていたので『ひろ子ちゃん』と呼ぶと彼女が怒るから『ひろ子さん』と立てていて、(彼女だけ)違っていた。私とかは勝手にやって、という感じ」と、扱いの違いを笑顔で話した。

 薬師丸の印象については「最初から、胸の中に熱い何か、熱い塊を秘めていた。すでに女優さんでした。シーンを撮り終わるたびに追いつけないくらい先にいて、女優魂を持った女優だったと思います」と、高校生の薬師丸にすでに大女優の芽生えがあったことを伝えた。

 風祭自身は、気に入っていた衣装を急に変更されたり、行先も伝えられずにロケバスに乗せられたり、「ずいぶん振り回されました」という。俳優の渡瀬恒彦が突然、風祭が弾いていたギターの弦を包丁で切ってしまったり、三國連太郎が急に普通に歩き出したりしたこともあったという。「(両シーンとも)私だけが知らなかった。だから驚いて息を飲んじゃって。みんなクレイジーでしたよ」と、予定調和でおさまらないかつての撮影所の熱気を伝えた。

 しかし仕上がりは驚くばかりで、「ひとコマひとコマを積み上げて行って1時間何十分かの映画が出来上がる。緻密にできた娯楽映画だなと思います」と、相米監督の手法をたたえた。

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