NHKの大河ドラマ「青天を衝け」（日曜午後8時）で、主人公・渋沢栄一（吉沢亮）の後妻となる伊藤兼子を演じる大島優子がこのほど、取材会に出席し、大河ドラマ出演と役への思い、現場の様子などを語った。本格的な登場は作品の終盤からという。

「最後のラストスパートをかけたところに登場すると思うと、とてもプレッシャーで、オファーを頂いた瞬間は、うれしさ半面、急に怖さがどっとあふれました」

　兼子は栄一が日本の実業家として要となっている状態からパートナーとなる。

「前妻の千代さんが亡くなって渋沢家に後妻として入るとなった時、彼女なりの大きな覚悟を持った上で、『私はそういう運命なんだ』と受け入れたと思います。肝がすわっているというか、すべてにおいて、自分の中に落とし入れる女性の強さがあると思っています」

　栄一は兼子が渋沢家に入ってからも亡くなった千代のことを何度も思い出す設定。

「兼子は、栄一さんが千代さんを大事にする思いを大事にしてあげようと思うんです。すごく強い、懐の深い人。千代さんが残した養育院も大切にしようと思い、プラスアルファー、自分に何ができるか兼子なりのやり方も見つけ出していく。まるっと包み込むような母性がある女性だと思いました。できれば皆さんに愛されるキャラクターになれたらうれしいのですが（笑）」

　兼子について「自分がぶれない人。共感します」とも評すると、大河ドラマの撮影現場の印象も語ってくれた。

「他にはない緊張です。スタッフさん全員プロフェッショナル。1ミリたりとも気が抜けない緊張感があるので、楽しいですし、やりがいもあります。心に渦巻いている感情を表現するためには、時代背景もありますし、共演している人たちの反応とかもすべて敏感に感じながらやらないといけないと常に思いながらやっています。だから、すごく疲れます。すごくいい疲れ」

　吉沢については「エネルギーがすごいです。こっちに与えてくれるエネルギーもそうですし、本人の中に燃えたぎっているエネルギーもすごくある方だと思います。自分ももっとやりたい、もっと吉沢さんの隣で、ちゃんといられるような人でありたいと思わせてくれる方。盛り上げさせてくれる人」と表現。

　また、演じる兼子から見た栄一とはどんな存在かも説明してくれた。

「ほっとけない、やんちゃな子みたいな感じ（笑）。だからパートナーとして隣で支えているんだと思います」

　実際の兼子は先妻の千代よりも長い間、栄一に寄り添うが、作品では短期間で演じる。

「逐一、監督と話しましたね。どれぐらいの距離感で栄一さんと歩くとか。大変でした。悩みながらやっていました。これでいいのかなと、ワンシーンをやるごとに頭を抱えながらやっていましたね。自分なりに調べたりしましたが、伊藤兼子の情報って全然ないんですよね」

　それでも大島は前向き。

「大変ですけど自由度は高いかな。情報がない分、自分なりの、大島優子らしい伊藤兼子を作り上げるという自由度は大きいかなと思います」