騒動から2年、カラテカ入江の今 相方・矢部の言葉で一念発起…清掃会社を設立

お笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也(44)が、セカンドキャリアにまい進している。2019年6月に発覚したお笑い芸人による闇営業問題をきっかけに、所属していた吉本興業から契約を解消された入江。その後、清掃会社での1年間の修業期間を経て、昨年7月に地元・東京都小平市に清掃会社「株式会社ピカピカ」を設立し、大阪、千葉、神奈川に支店を展開するまでになった。

清掃のアルバイトで「精神的にすごく救われていた」と語る【写真:ENCOUNT編集部】
清掃のアルバイトで「精神的にすごく救われていた」と語る【写真:ENCOUNT編集部】

昨年7月「株式会社ピカピカ」を設立「清掃に向いてるかも知れない」

 お笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也(44)が、セカンドキャリアにまい進している。2019年6月に発覚したお笑い芸人による闇営業問題をきっかけに、所属していた吉本興業から契約を解消された入江。その後、清掃会社での1年間の修業期間を経て、昨年7月に地元・東京都小平市に清掃会社「株式会社ピカピカ」を設立し、大阪、千葉、神奈川に支店を展開するまでになった。(取材・文=平辻哲也)

 騒動から2年あまり。入江は「僕のことがきっかけで、吉本興業をはじめ、先輩後輩に迷惑をかけてしまったことは間違いなく、これは一生背負っていかなきゃいけないと思っております」と神妙に語る。

 掃除業界に関心を持ったのは契約が解消された直後のことだった。「先のことなんてまったく考えられる状況ではなかったので、ずっと家の中で掃除をしていたんです。芸人時代に使っていた小道具も全部捨てたんですよね。そうしたら、ちょっと気持ちがスッキリして、前に進めるかも。僕って、清掃に向いてるかもしれないなと思ったんです」。

 そんな時に、背中を押してくれたのは高校時代からの同級生で、相方の矢部太郎の言葉だった。「矢部には、自分のことで謝罪までさせてしまったから、申し訳ない気持ちでいっぱいです。矢部は『地に足を着けて仕事を頑張って行ったらいいと思う』と言ってくれたんです。一生懸命頑張っていくしかないんじゃないかって。昔からゴミを集めたり、ゴミ収集車が作業するのを見るのが好きだったのも思い出して、これだと思いました」。

 契約解消から2か月後の8月上旬、ネットで自宅近くの清掃会社を調べて、全国にチェーン展開する「おそうじ本舗」にアルバイトをさせてほしいと電話した。「向こうはビックリされていましたよ。『履歴書はないんですけど』というと、1度お会いしましょうか、という話になって、採用していただけた。1年間が区切りだなと思って、一生懸命働かせていただきました。無遅刻無欠勤で勤め上げ、仕事も楽しかったんです。当時、自分の過ちと向き合い、後悔を繰り返す日々を過ごしていましたが、清掃の仕事をすると、お客様には『きれいになってよかった』と喜んでもらえる。今思えば、精神的にすごく救われていた気がします」。

 当初の将来ビジョンはあいまいだったという。「1年経ったら、YouTuberか、フリーの芸人になるのかなとふわっと思っていたんですね。そうしたかったということではなく、それ以外の選択肢に関して想像ができなかったから。でも、清掃を続けていく中で、今後も清掃業をやっていこう、と。6月4日に1年ぶりにツイッターを更新したんです。ありがたいことにニュースでも取り上げていただき、もちろん、厳しい言葉も頂戴しましたが、応援のコメントも数多く頂けるようになったんです。それをターニングポイントだと呼べるほどまだ僕はやるべきことをやれていないけど、それでも前に進んでいかなければ、と思いました」。

 入江には、お笑い芸人やスポーツ選手のセカンドキャリアを支援する「株式会社イリエコネクション」もあったが、昨年7月7日に心機一転の思いも込めて、地元・東京都小平市で資本金300万円の「株式会社ピカピカ」を設立し、代表取締役社長に就任。バイト先だったおそうじ本舗も快く送り出してくれた。

「設立に向けていろいろ準備が大変でした。初めてのことばかりだったので、取引先銀行、顧問弁護士、税理士、さまざまな方にご相談していきました。会社名もほかにも候補はあったんですが、セカンドキャリアとして、ピカピカの1年生としてスタートしていくんだという気持ちを込めています。設立日はゲッターズ飯田さんにお伺いしたら『この日が一番いい』と言っていただいたのでこの日にしました」。

次のページへ (2/3) 書籍「汚部屋がピカピカになる! 業者の(秘)家そうじ」発売、掃除のノウハウを伝授
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