松村沙友理「若さを失うことの恐怖から逃げてきた」 初めて向き合った“年齢”の呪縛
今年、乃木坂46を卒業も「もう29歳だから卒業しなきゃ」とは思っていなかった
――松村さん=永遠のアイドルという印象もありました。年齢との葛藤もあったのでしょうか。
「すごくありました。乃木坂46はピーターパンの世界のように、ずっと時間が止まっているんです。私自身、『結婚しないと』と思うこともなかったし、『29歳だ』という焦りを感じないようにしていました。『私は別に(年齢を)気にしない!』みたいな……。でもやっぱり外に出てみると、同い年の子たちは見た目も大人っぽくなっていて、自分だけがずっと変わっていないんです。
それこそ、年齢を気にしないようにしていたので、自分の中では『卒業と年齢は関係ない』というふうにしています。自分自身で卒業を選びましたが、『もう29歳だから、卒業しなきゃ』とは思っていなかった。……と、思っています」
――劇中では美穂をはじめ、登場する女性それぞれが分岐点を経験し、変化していきます。これまでの松村さんにとっての分岐点はどこにありましたか。
「やっぱり、乃木坂46に合格したときです。入る前は、ダンスも歌もやったことのない普通の女の子でした。高校の周りの友だちには大学に行く子が多かったので、人よりも先に働いているというのも自分にとっては大きかったと思います。
でも、グループを卒業したことを分岐点にするのは、まだちょっと早いのかなという気がしています。まだ明確に道が決まったわけではないですし、これから5年くらいたったときに『あそこが分岐点でしたね』と言えるようになりたいな。まだまだいろんなことに悩んでいて、明確にこの道に進みたいとは言えませんが、5年後の自分には前向きに生きていてほしいです。
私は乃木坂46にいたころから、常にやりたいことがいっぱいあるタイプなんです。だからこそすごく悩んじゃう。あの道も、この道もいいなって。でも、5年後もそんな自分であってほしいんです。やりたいことをいっぱい持ち続けていたいですね」
――選択肢や可能性を持ち続けるために、今取り組んでいることがあれば教えてください。
「実は最近、ボイトレを始めました。ついにです(笑) 10年間歌ってきましたが、歌がちょっと苦手で、1人で自信を持って歌うことがあまりできていなかったんです。通い始めて2か月くらいですが、先生がすごく褒めてくれる方で、『想像よりも高音が出ています!』と言われて、『私、高音出るやん!』って(笑) それだけで、すごく自信になります。いつか披露する機会がめぐってきたときに自信を持って歌えるよう、頑張っていきます!」
□松村沙友理(まつむら・さゆり)1992年8月27日、大阪府出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格しデビュー。21年7月にグループを卒業。15年から21年10月号までファッション誌「CanCam」の専属モデルを務め、同年11月号からファッション誌「BAILA」でレギュラーモデルに就任。JAグループ お米消費拡大アンバサダーとして活動する他、映画やドラマ、声優などさまざまな分野で活躍中。現在、写真集「次、いつ会える?」が好評発売中。