2021年の「現代用語の基礎知識選　ユーキャン新語・流行語大賞」ノミネート30語が4日、発表となった。昨年の年間大賞「3密」に続き、新型コロナウイルス関連が名を連ねたほか、日本のメダルラッシュとなった東京五輪からも多数エントリーした。果たして今年の年間大賞に輝くのは？　ENCOUNT編集部は3人の記者による座談会でひと足先に予想した。トップ10および年間大賞は12月1日に発表される。

記者A「全体を見ると、世相を反映していて『新型コロナウイルス禍』と『東京五輪・東京パラリンピック』関連がノミネートの中心になった。コロナ関連では、今も関心事でもある『副反応』が有力だろうね。今や国民の7割がワクチン2回接種を完了。安心安全がうたわれる中、ネット上では副反応を気にする声が絶えなかった」

記者B「東京五輪関連では、『ゴン攻め／ビッタビタ』『13歳、真夏の大冒険』でしょう。米国発祥の新競技スケートボードで、日本は金メダル3個を獲得する大躍進でした。それを側面から盛り上げたのが、テレビ解説や実況で、聞きなれない“業界用語”が続々とトレンド入り。『13歳、真夏の大冒険』は、2004年アテネ五輪の『伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ』に近い名実況と言っていいと思います」

記者C「オリパラ関連ワードは9つが選出。ところで、『カエル愛』は一瞬、なんのことか分からなかった（笑）」

記者A「ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈のことなんだな。『ジャイ子』と呼ばれるカエルを飼育し、金メダル獲得後には『トノサマガエルになれた』と満面の笑み。明るいキャラクターでバラエティー番組にも引っ張りダコだった。そういえば、『オリンピックが終わったらカエル探しの旅に出るつもり』とツイートしていたけど、どうなったのか？」

記者B「五輪開会式の演出の一つだった『ピクトグラム』は手作り感が抜群でしたね。夜空に浮かぶ巨大ドローンも印象的でしたが、全50競技のパントマイム演出には失敗しないかと画面越しに手に汗握りました。東京五輪を思い出すときに頭に浮かぶ言葉として、ずっと残っていくような気がしますね」

記者A「2018年は平昌五輪のカーリングチームからの『そだねー』、ラグビーW杯が日本で開催された2019年は、ラグビー日本代表の『ONE TEAM』が年間大賞に輝いた。同じ国際イベントのオリパラ関連ワードの“金メダル”は十分あり得ると思う」

記者B「いや、今年は同じスポーツでも、やはり米大リーグで大活躍した大谷翔平（エンゼルス）の関連ワードが最有力ではないでしょうか。46本塁打、9勝と“21世紀のベーブ・ルース”として歴史に名を刻みました。ある意味、“金メダル”に匹敵するというか、それ以上というか……。実況でおなじみのキャッチフレーズ『ショータイム』、投打で世界屈指の実力を表現した『リアル二刀流』。エントリーされたいずれも甲乙つけがたいです」

記者C「18日に発表のアメリカン・リーグのMVPを獲得すれば、さらに追い風は吹きそう。紙面報道やネットニュースでも常に注目の的だったし、野球に興味のない人たちでも多くの人が知っている名前。大谷翔平は“堅い”と思います」

記者B「ここで、大穴を挙げるとしたらどうでしょうか。国家レベル、企業間でも取り組みの進む『SDGs』（持続可能な開発目標）は、非常に大事なテーマであるし、個人的にももっと理解を深めたい言葉です。『エスディージーズ』の読み方は、今や若年層にも浸透していますね」

記者A「わりと今年秋ごろになって聞くようになった『親ガチャ』は、自分の現在の境遇をめぐって、“親を自分で選べない”という人生観を表現した。不遇な運命への抵抗や諦めに似たような気持ち、日本の若者を覆う閉塞感のようなものが伝わってくるよ」

記者C「私は『Z世代』を推します。デジタルネイティブの若者世代は、日本社会の今後を背負うだけでなく、どういった社会になっていくのかを占う世代でもあると思いますね」

■2021年のノミネート語30は以下の通り（50音順）

1.イカゲーム
2.うっせぇわ
3.ウマ娘
4.SDGs
5.NFT
6.エペジーーン
7.推し活
8.親ガチャ
9.カエル愛
10.ゴン攻め／ビッタビタ
11.ジェンダー平等
12.自宅療養
13.13歳、真夏の大冒険
14.ショータイム
15.人流
16.スギムライジング
17.Z世代
18.チキータ
19.チャタンヤラクーサンクー
20.ととのう
21.フェムテック
22.副反応
23.ピクトグラム
24.変異株
25.ぼったくり男爵
26.マリトッツォ
27.黙食／マスク会食
28.ヤングケアラー
29.リアル二刀流
30.路上飲み