上白石萌音にNHK「すごい」 朝ドラの現場は「ドキュメンタリーを撮っている感覚」
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の制作統括・堀之内礼二郎氏と演出の安達もじり氏が、このほど、取材に対し、作品作りで心掛けていることや今後の見どころを語ってくれた。作品には明るい雰囲気が漂い、笑いもちりばめられている。
NHK「カムカムエヴリバディ」制作統括と演出の2人に取材会で聞いた
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の制作統括・堀之内礼二郎氏と演出の安達もじり氏が、このほど、取材に対し、作品作りで心掛けていることや今後の見どころを語ってくれた。作品には明るい雰囲気が漂い、笑いもちりばめられている。
堀之内氏は「すごく大事にしているのが手触り感。右脳的な感触とか、体感的に感じられるような映像、場面作りを大事にしようと思っています。作品で100年を描く目的が、今、自分がここで生きている意味とか命の大切さを感じてほしいと思ったから。おじいちゃん、おばあちゃんもカラフルな世界で毎日を生き生きと過ごしていたという当たり前のことを感覚として感じてほしい。人の触れ合いの温かさを積み重ねて現代まで続くことで、昔が今につながっていると感じてほしい。それを狙って手触り感を大事にしています」
作品には笑いがうまく組み込まれている。
堀之内氏は「脚本家・藤本有紀さんが関西出身で笑いの要素を大事にしています。笑いがあるから、感動的なシーンがより泣けてくる。その緩急のつけ方が藤本さんは絶妙です。つらい重いシーンでも笑いの要素が入れられるのは藤本さんのすごいところの一つだと思います」
第8回ではタイトルバックが後半に出てくる異例の作り方だ。
安達氏は「編集をしている作業の中で、ヒロイン・安子の気持ちをたどった時に、このまま見たくなる感覚がすごくありました。あと、大阪と岡山の距離感をどうやって出せばいいのかと悩み、大阪を出たらタイトルバックを入れるというちょっと横暴な手に出てみたらどうかと1度試したら気持ちよかった。このパターンが朝ドラのフォーマット上、ありかどうかを確認しながらああいう形にしてみました」
上白石萌音が涙を流す際の表情も、第8回では印象的だ。
安達氏は「上白石さんはすごいです。お芝居の域を超えて安子として生きてくださっていたという気が強くしています。物語の舞台となる所は、セットも世界観を作り込んでいますので、そこで伸び伸びと生きてくださったら、それを撮らせていただきますと話し、それを体現してくださっていると、どのシーンも強く感じます。本当にドキュメンタリーを撮っている感覚で撮らせていただきました」