紅白、49年ぶりNHKホール以外での開催 NHK「今回の紅白ではいろんなことが変わる」

今年の大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」は、改修工事中のNHKホールを離れて初めて東京国際フォーラムで開催される。NHKホールではない会場で行われるのは1972年の東京宝塚劇場以来、49年ぶり。慣れない会場での開催にNHKの並大抵ではない努力と苦労が想像される。

NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】
NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】

49年ぶりにNHKホールを離れて東京国際フォーラムで開催

 今年の大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」は、改修工事中のNHKホールを離れて初めて東京国際フォーラムで開催される。NHKホールではない会場で行われるのは1972年の東京宝塚劇場以来、49年ぶり。慣れない会場での開催にNHKの並大抵ではない努力と苦労が想像される。

 紅白は秒単位のスケジュールで進行するため、出場者だけでなく数百人規模のバックダンサーらの待機場所の確保やパフォーマンスする場所までの移動時間なども緻密に計算しなければならない。初めての会場で無難に本番を終えるには、例年、本番数日前から始めるリハーサルにさえ相当入念な準備が必要だろう。

 ただ、紅白歌合戦の歴史を振り返ると、昔は会場が点々としていた。1951年の第1回から第3回までは東京・千代田区にあった東京放送会館第1スタジオで行われ、時期は1月だった。観覧希望者が多くなってきたものの、正月興行が多いシーズンのため会場の確保は容易ではないため、第4回から開催時期を大みそかにして、会場を日本劇場にした。第5回は日比谷公会堂、第6回は産経ホール、第7回、第8回は東京宝塚劇場、第9回は新宿コマ劇場、第10回は東京宝塚劇場、第11回は日本劇場、第12回から第23回までは東京宝塚劇場で開催されていた。NHKホールが会場になったのは1973年の第24回から。

 NHKの先人たちは会場を点々としながらも紅白をしっかりお茶の間に届けてきた。NHKの広報は「私たちも初めてのチャレンジですので、あらゆるセクションのスタッフも、気合が入っております。ただ当然、不安もたくさんございます。いずれにしましてもこれまでと環境が違うため、今回の紅白ではいろんなことが変わると思います。視聴者のみなさまのご期待にそえるよう、NHK一丸となって精いっぱい頑張ってまいります」とコメントした。

 今の時代、放送技術も進化している。過去71回の紅白で積み重ねてきた知識や経験もある。NHKには東京国際フォーラムだけでなくNHK内のスタジオもうまく活用しながら、視聴者を楽しませ、心を揺さぶる紅白を作る力は十分にあるはず。欲を言うならNHKホールではできなかった演出も期待したい。

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