大ヒット作「イカゲーム」EP4解説 死闘シーンは円形闘技場 悪役3人組の数字にマジック
悪役3人組は深い結び付き 番号に数字マジック的な作意
第4話では厳格な監視をかいくぐって臓器売買に手を染める運営チームが登場した。参加者の医者(111番)は臓器摘出を密かに手伝い、運営側は見返りとして次に行われる第3ゲームが「綱引き」であることを知らせた。医者は力の強そうな参加者を探しているうちにドクスを見付け仲間入りを申し出る。この場面で目を引くのがドクス、ミニョ、医者の番号だ。それぞれ101番、212番、111番。計算すると101+111=212、212-111=101。医者は負傷したドクスの足を縫い、ドクスとミニョはトイレで関係を結ぶなど、悪役3人組は深く結び付くかっこうとなっている。ただの偶然かもしれないが、数字マジック的な作意を感じる。
この後、参加者同士による壮絶な死闘が繰り広げられるが、セットをよく見ると積み上げられたベッドは、有名な歴史的建造物に似ていることに気付く。ローマ市に残る古代の円形闘技場コロッセウムだ。そこでは剣闘士の試合が行われ、おびただしい数の猛獣や剣闘士が命を落とした。この巨大施設はローマ市民への娯楽の目玉として建造された。生死を分けるゲームに駆り出された参加者を見て悦楽に浸るフロントマンにとっても娯楽となっている。
殺りく合戦は通称おじいさんのオ・イルナム(001番)がベッドの最上段に立ち、「お願いだ。やめてくれ。怖いんだ。こんなことをしていたらみんな死んでしまう。やめてくれ!」と血まみれの参加者に呼びかけるところで中断。イルナムの叫びを聞き終えたフロントマンが赤いコスチュームの部下に強制終了を命じる。イルナムの叫びはゲーム終了を運営に命じるメッセージとも考えられ、フロントマンとの深い関係性が浮かび上がる。
会場の死体を運営が外へ搬出。乱闘の結果、参加者は107人から80人に減っていた。次の日、第3ゲームの開始がアナウンスされ、参加者たちはまず10人ずつのチームに分かれるよう命じられる。ゲーム内容はまったく知らされていない。次のゲームが「綱引き」であることを事前に知っていたドクスは力のありそうな男を集め、男女の関係となったミニョを排除する。ミニョは「裏切ったら殺す」とドクスに念を押していた。深い恨みを買うドクス、セビョクの傘になるギフン。2人の性格の対照性が次回以降のストーリーを引っ張っていく。次回は第5話(エピソード5)を取り上げる。