扇動的な報道に複雑な思い…渋谷センター街理事長が“変態仮装行列”発言を繰り返す理由
近年は参加者以上に、それを取り上げる報道陣の姿勢にも注目が集まっている
センター街にひしめく飲食店約230店舗のうち、コロナ禍の1年半で40店舗あまりが撤退を余儀なくされた。跡地にはこれまで参入できていなかった全国展開の大手チェーン店が入り、スクランブルスクエアなどの再開発と相まって街の様子も様変わりしている。小野理事長もスクランブル交差点を望むオフィスから、長年渋谷のカルチャーを見てきた。
「若者文化ははやり廃りのサイクルが早い。今の若い人は知らないかもしれないが、原宿のホコ天から『タケノコ族』とか『ローラー族』が生まれて、2000年代に入るとW杯、それがハロウィーンのバカ騒ぎへと移り変わっている。今は五輪で注目されたスケボーの集団が増えているが、いずれ仮装して騒ぐのが時代遅れ、カッコ悪いという風潮が訪れる。去年、今年とコロナでその兆しが見えてきている」
近年は参加者以上に、それを取り上げる報道陣の姿勢にも注目が集まっている。小野理事長も、報道が扇動につながっていることに複雑な思いもあるというが、それでもメディアで発言を続けるのには、小野理事長なりの狙いがある。
「多くの若者は言って聞かせればわかるが、これだけ言っても集まるバカ者はいる。バカ者は目立ちたがりで、マスコミがそれを後押ししてる面もある。でも、直接言っても聞かない連中にやめさせるには、周囲からどう思われてるか伝えるしかないんですよ。初めから狙って言ったわけではないが、だから毎年繰り返し言ってるんです」
今年は25日にリバウンド防止措置が解除となり、ハロウィーン本番を前に酒類の提供が認証店に限り全面解除となる。昨年収まりかけた渋谷ハロウィーンが、このまま下火となるかどうかの瀬戸際でもある。
「やっとコロナが収まってきてホッとした矢先、25日から時短制限の全面解除でしょ。今年も商店街は戦々恐々としていますよ。ただ、2年間コロナの話題ばかりでストレスのたまった若者も多い。私だって、来るなという言葉は使いたくない。来るなではなく、来ても騒がずお店で飲んでほしい」
コロナ禍で迎える2度目のハロウィーンがまもなく始まる。