緊急事態宣言解除も6割の酒蔵が「製造量減らした」… 打撃著しい酒造業界
緊急事態宣言解除後、酒蔵の売り上げはどうなったのか。リカー・イノベーション株式会社が「緊急事態宣言解除に伴う影響」に関するアンケート調査を実施している。
オンラインストア「KURAND(クランド)」で取引中の酒蔵を対象にアンケートを実施
緊急事態宣言解除後、酒蔵の売り上げはどうなったのか。リカー・イノベーション株式会社が「緊急事態宣言解除に伴う影響」に関するアンケート調査を実施している。
アンケートは同社が運営するお酒のオンラインストアで取引中の酒蔵、ワイナリー、ブルワリーを対象に、10月14日~18日に実施した。
調査では約71%の酒蔵が「緊急事態宣言中売上が下がった」と回答。その多くが「飲食店向けのお酒の出荷量が下がった」とし、多いところでは9割以上下がったと回答した酒蔵もあったという。緊急事態宣言に伴う酒類提供禁止が酒蔵に与えた影響は非常に大きかったと考えられる。
また、緊急事態宣言が解除されたことを受け、約76%の酒蔵が「売上が上がりそう」と回答。しかし、その多く(70.4%)は売上は大きく増えず「少し増えそう」という回答をしている。飲食店での酒類提供が再開したことや観光の活性化から、お酒の出荷が増えるのではないかという期待の反面、コロナ禍前と比べるとまだまだ厳しい状況が続いていると言えそうだ。
緊急事態宣言解除後、実際に「飲食店向けのお酒の出荷量が増えた」と回答したのは約71%。飲食店での酒類提供が再開され、飲食店向けのお酒の出荷が再開したものの、出荷量は大きくは増えず「少し増えた」という回答が最も多い結果となった。今後の見通しが立たない中、飲食店側もお酒の注文量を抑えていることがうかがえる。
さらに、約59%の酒蔵が「例年から比べて製造量を減らした」と回答。酒造りでは、前の年から次の年の製造量を予測して原料となるお米などを買い付ける必要があり、まだまだ先が見えない中で製造量を減らした酒蔵が多いという結果となった。
酒造業界にとっては、まだまだコロナ禍との戦いが続いているようだ。