日本プロレス史に脈々と流れる“ライバル物語” 3冠王座めぐる新たなバトルが熱い【連載vol.65】
全日本プロレス「49周年記念大会」(10月16日、東京・大田区総合体育館)の3冠戦、王者ジェイク・リーVS挑戦者・宮原健斗は壮絶な一戦となった。両者、死力を尽くしての60分時間切れ引き分け。力と力の真っ向勝負。まさに全日本らしいバトルだった。
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全日本プロレス「49周年記念大会」(10月16日、東京・大田区総合体育館)の3冠戦、王者ジェイク・リーVS挑戦者・宮原健斗は壮絶な一戦となった。両者、死力を尽くしての60分時間切れ引き分け。力と力の真っ向勝負。まさに全日本らしいバトルだった。
V3を達成した王者ジェイクは「来年は50周年。俺にしかできないことを見せてやる。全日本を作り直す」と、王道リビルドを宣言した。
「俺だけじゃない。周りを巻き込むのが王者の仕事」。ジェイクと話していると、トップの気構えを意識した言葉がよく飛び出してくる。一人で改革を進めるのは簡単ではない。一丸とならなければ組織なんて変わらない。3冠王者になって5か月。テッペンに立った者にしか見えない景色があるというが、何かと思うことがあるのだろう。
かつて新日本プロレスと業界を二分した全日本プロレスだが、二強時代は遠い昔。業界勢力図も大きく様変わりしている。全日本プロレスから派生したノアはCyberFightグループ入りし、勢いに乗っている。かつては存在したメジャーとインディーの境界線は、今や不鮮明だ。
ジェイクは来年50周年を迎える全日本プロレスに、往年の輝きを取り戻そうというのだろう。だからこそ「俺と宮原、2人だけだ」と指摘。「悔しかったら本心をさらけ出せ」と、全日本プロレスの他のメンバーにも喝を入れる。
クールに青白く光る月のイメージを押し出すジェイク。対照的に宮原はひたすら明るく赤々と燃えたぎる太陽。確かに2人が全日本プロレスの中でも突出した存在感を放っている。10・16決戦の60分死闘で今後の対戦がますます楽しみになってきた。
思えば、ライバルがいることは貴重だ。ジェイクと宮原が10・16決戦を経て、次のステージに進んだことは間違いない。