「日本沈没」 主要人物の“目力”が視聴者圧倒 過去の“ヤンキー役”が共通点

常磐役を演じる松山ケンイチ【写真:ENCOUNT編集部】
常磐役を演じる松山ケンイチ【写真:ENCOUNT編集部】

主要出演陣は過去にヤンキー役で脚光

 第1話を振り返ると、東山総理(仲村トオル)と里城副総理(石橋蓮司)の“対決”も見せ場となった。政府批判のデモ活動が激しくなり、里城が「デマで株価にまで影響が出ている。わが党の支持基盤である不動産、ゼネコン関係もいい迷惑だ。足元をすくわれないよう徹底すべきでしょう!」と大声を上げると、総理官邸の執務室に戻った東山の目付きは鋭く光り目の前のイスを蹴り飛ばすという激高シーンを披露した。

 これらのシーンを演じた俳優陣にはある共通点があるという。

「小栗と松山はドラマ『ごくせん』に金髪不良役で出演し、さらに小栗と高橋は映画『クローズZERO』シリーズでケンカに明け暮れる不良学生役を好演しました。また松山はドラマ『ビー・バップ・ハイスクール』に出演し、映画『不良少年(ヤンキー)の夢』では主演を果たしています。一方、仲村は映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズに中間徹役でダブル主演し出世作となりました。ヤンキー作品は若手俳優の登竜門と言えます」(ベテラン放送ライター)

東大卒の香川はヤクザ役として「静かなるドン」に主演

 東大卒の香川は不良役とは縁が薄そうだが、ヤンキーの上を行くヤクザ役として「静かなるドン」のビデオシリーズや劇場版に主演している。ベテランの石橋は東映ヤクザシリーズの常連で、映画「アウトレイジ」「孤狼の血」ではヤクザ組長を鬼の形相で演じた。

 ヤンキー役やヤクザ役で培った演技経験が「日本沈没」で見せる目力の源泉にあることは間違いないところだろう。世良教授を演じる國村はどうだろうか。

「彼は井筒和幸監督の出世作である1981年公開の『ガキ帝国』で映画デビューしています。昭和40年代の大阪を舞台に不良少年たちの抗争を描いた作品で、漫才の島田紳助と松本竜介が主演したことで話題となりました。他にもヤクザの組長や殺し屋役など何でもこなせるバイプレーヤーの代表的存在です。過去にヤンキーやヤクザを演じた俳優たちが集結して日本の最高権力を握る役どころを演じるとは……。当時は予想もしていませんでした」(同)

「日本沈没」は今後、関東沈没をめぐって天海VS世良教授の抗争がエスカレートし、官邸や霞が関の官僚の間でも激しい対立が起きていく。未曽有の事態に直面してぶつかり合う人間の生々しい姿が、俳優陣の卓越した“目力”とともに描かれていきそうだ。

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