“軍神”東郷平八郎の魂を胸に 27歳のストロングBJ王者は「最強の挑戦者」を迎え撃つ
リングを下りれば、動物好きの意外な一面も
練習にもこだわりがある。現代主流の科学的トレーニングを否定するつもりはないが、野村は体幹を鍛える基礎トレーニングに重点を置き「温故知新です」と力説する。
これは「愚直と笑わるるとも、終局の勝利は必ず誠実な者に帰すべし」という東郷平八郎の言葉に通じる。
東郷平八郎と那須与一に縁があると聞けば、武骨なイメージだが、リングを下りた野村は温和で優しく、動物好き。特に犬が好きだという。
「子犬ももちろんかわいいけど、老犬もかわいいですね。散歩している老犬を見ると、年を重ねてヨタヨタでも、今まで頑張って生きて来たんだな、長い間ずっと飼い主にかわいがられて来たんだなと思うと、たまらなく愛しいです」とにっこり。子犬がかわいいのはともかく、老犬を愛しいと思うのはよほど優しい性格なのだろう。
見た目はスイートだが、リング上では豹変し、試合は激辛な野村。初防衛戦の相手・関本は「野村は負けん気が強く、試合の時の目が本当に素晴らしい。自分も負けないようにと思う」と認めている。
関本とストロングBJの双璧を担う岡林裕二は「野村のような負けん気が強い選手が近くにいると、自分も負けてられるか! となるし、みんなが切磋琢磨して本当にいい刺激になります」とこれまた野村を称えている。どうやら野村は刺激物らしい。スイートな刺激物。ギャップ萌えという言葉があるが、野村はその顕著な例かも知れない。
初防衛戦の10・18後楽園ホール大会には、新日本プロレス、UWFで活躍した山崎一夫氏も応援にかけつける。夏に大日本プロレス道場で、蹴りや関節技の指導を受けた山崎氏の来場に、野村の闘志はますます燃え上がる。
野村卓矢、破竹の進撃に期待だ。