「刃牙」板垣恵介VS「うる星やつら」高橋留美子の異色対談が実現 「あしたのジョー」で白熱トーク

30日に発売された「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に注目の対談記事が掲載されている。

30日発売の「週刊少年チャンピオン」
30日発売の「週刊少年チャンピオン」

実は「劇画村塾」の先輩後輩 漫画界の巨匠が語ったこととは

 30日に発売された「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に注目の対談記事が掲載されている。

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 板垣恵介VS高橋瑠美子対談だ。

 これは板垣氏による「刃牙」シリーズの連載開始30周年を記念してのもの。「刃牙」シリーズとは、1991年に「グラップラー刃牙」として連載が開始されてから、続編として「バキ」「範馬刃牙」「刃牙道」「バキ道」とつづく格闘漫画のトップランナー。

 その内容は、「地上最強の生物」「オーガ(鬼)」と呼ばれる範馬勇次郎を父に持つ息子・刃牙と、さまざまな格闘家との戦いが織りなす長編格闘ドラマだ。累計部数は8500万部を記録。

 一方、高橋氏は「うる星やつら」「めぞん一刻」などの大ヒット作品を世に送り出し、現在は「週刊少年サンデー」で「MAO」を連載中。昨年は紫綬褒賞を受賞している。

 まさに、“レジェンド”同士の対談となったのだが、実は、2人は一昨年亡くなった小池一夫さん主宰の「劇画村塾」の出身。高橋氏が1期なのに対し、板垣氏が6期だから、学んだ時期にはズレがある。

「北斗の拳」の原哲夫氏を含め、「劇画村塾」の“出世頭”なのは間違いないが、ここまでの巨匠の対談となれば、面白くならないはずがない。

 もちろん、人によって面白いと感じる視点はさまざまだが、個人的に印象深いのは、なぜかこの両者の対談に、ちばてつや氏が作画を担当した「あしたのジョー」が登場する点になる。しかも1度ではなく、折に触れて登場するのだ。

 記事によれば、小池塾頭が口にした「ちば(てつや)さんのアクションシーンの構成がいかにうまいかって話を覚えてる」と板垣氏が話を振ると、高橋氏がこれに呼応する。

「ちば先生も(『劇画村塾』に)講師でいらっしゃって、試合の時、リングの方向変えませんって断言してたからね。赤コーナーと青コーナーを一度画面で設定したら、『試合の間それを僕は動かさない、それを徹底してやる』って仰ってて、すごくためになった」

 板垣氏も「ちばさんにはいまだに影響を受けてる。殴るシーンなんかで、アッこういう殴り方が滑らかなんだとか、同じストレートでもこういう角度もあるんだとか、今も使ってる技術があるもの」と話している。

 これ以外にも、キャラクターをいかに転がしていくかなどの考え方や、どうすれば面白い漫画が描けるのか、読者を飽きさせないのか。そういった努力を常に両者が意識し、心がけながら作品作りに向き合っていくエピソードが随所に散見される。

 さらに、「あしたのジョー」のあるエピソードが具体的に語られている。しかも、高橋氏の口から語られている点が、非常に意外性があって興味深い。

 ぜひ、今週発売の「週刊少年チャンピオン」を手に取って、「刃牙」シリーズ30周年の重みを確認してもらえれば幸いである。

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