「横浜銀蝿」翔&Johnny 不良なオヤジが最後に伝えたかったツッパリの美学

銀蝿史上最高のアルバムを携えて俺たちの集大成をラストライブで見せるから【写真:山口比佐夫】
銀蝿史上最高のアルバムを携えて俺たちの集大成をラストライブで見せるから【写真:山口比佐夫】

コロナ禍で生まれた奇跡の最高傑作「ぶっちぎり249」

――そして再結成後にリリースしたアルバム「ぶっちぎりアゲイン」に続いて活動延長のおかげでもう1枚オリジナルアルバム「ぶっちぎり249」が誕生しました。

翔「聞いてみてどうだった?」

――ロックンロールに乗せてユーモアを交えて時代や世相を斬っていくところなんかは、まさに「横浜銀蝿」でした。メンバーそれぞれの現在も歌から見えてきましたし、ツッパリの裏側にある人情とかもじわじわとにじみ出てきて。とにかく人に会いたくなる歌ばかりで昭和世代への最高のギフトです。

翔「ありがとう。まさにその通りで、俺たち4人の年齢を全部足した249年分の人生を積み重ねてきたリアルなラストアルバムなんだ。コロナ禍でみんなに会いたいけど会えない。メンバーが集まることすら難しい。一緒に酒を飲むことさえできなくなった時代に、どんなことを音楽で伝えられるか。音楽って科学では証明できないけれど人間にとって生きるために大切なものだって俺は思ってる。俺自身そんな音楽に救われて今があるからね。だから今回のアルバムって、いつかきっとみんなで会えるから頑張ろう、今こそツッパろうぜっていう。でもコロナ禍で活動延長になってなかったらこのアルバムはなかったわけで、ある意味奇跡のアルバムだよね。俺はJohnnyと初めて作った『ぶっちぎり』というアルバムが今まで最高だと思っていたけど、それを超えた横浜銀蝿史上最高のアルバムだと思っているよ」

――Johnnyさんが歌っている「蒼い夜に抱かれて」は、80年代当時のJohnnyさんがよみがえるような格好良い曲です。

Johnny「実は高校の頃からずっと一緒にやってきているのに翔くんの歌詞を俺が歌うことって今までなかったことに気が付いてね。最後のアルバムだから翔くんに歌詞を書いてってお願いしたんですよ」

翔「そう。それでJohnnyから大人のラブソングを頼むと言われて、歌詞を書き始めたんだけど、Johnnyの曲ってすごくメロディーラインがきれいだから曲から情景が浮かんでくるのね。そこに自分との思い出とかいろんなものを言葉にしてJohnnyが歌うことを連想しながら書いたんだけど、そういえばこういうやり取りって高校から数えて40年間今までしてなかったよなって。なんか最後に運命的なものを感じたよね」

Johnny「切なくて格好良い曲になったよ」

――胸が熱くなる話です。

翔「最後にファイナルツアーがあるからね。絶対に俺たちの40年間を見せる集大成のライブになるから。会場に来れる人はぜひ楽しんでほしいし、俺たちも精一杯やって最高に楽しい時間を作るのでみんなヨロシク!」

Johnny「もちろん感染対策も安全対策もバッチリやりますんで。俺の最後の勇姿を皆さん目に焼き付けてくださいね」

――最後にもう一度お願いです。なんとか活動休止を撤回してもらえませんか?

翔&Johnny「できません!!」

Johnny「まあ、次あったとしても50周年かな? それまでみんな健康な体でいましょうってことだね」

翔「まあそういうことだね(笑)」

翔&Johnny「健康第一!!」

□横浜銀蝿(よこはまぎんばえ)1980年9月21日、「THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIAL」略称「T.C.R.横浜銀蝿R.S.」として嵐(ドラム)、翔(ボーカル)、Johnny(ギター)、TAKU(ベース)により、シングル「横須賀Baby」、アルバム「ぶっちぎり」でデビュー。その後テレビ、ラジオ、ライブ等の音楽活動だけでなく、映画・ドラマに出演するなど活動の場を広げ、わずか2年で当時ミュージシャンの誰もが憧れた日本武道館コンサートを成功させ、日本レコード大賞特別賞を受賞するなど、日本全国に横浜銀蝿の名を轟かせ、その1年後“It’s OnlyRock’n Roll 集会ファイナルカウントダウン10”コンサートにて活動を終了した。98年1月1日、バンド名を「横浜銀蝿」と改めシングル「RUNNING DOG」、アルバム「ぶっちぎりⅦ」をリリースし全国ツアーを行う(Johnnyは不参加)。その間、リーダーの嵐はレコード会社「シルバーレコード株式会社」を設立。2002年9月「THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIAL RETURNS」として再度復活。04年、嵐が脳梗塞で倒れる(現在はリハビリ中ながらコンサート等では必ず顔を出し、ファンの前で元気な姿を見せている)。翔・TAKUに加え、リードギターのJack、ドラムのAtsushiを迎え活動。デビュー40周年である20年にオリジナルメンバーで「横浜銀蝿40th」として復活し、21年12月31日までの期間限定で活動中。

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