“熱海でリモート”は本当に快適なのか 現地体験で分かった注意点 かけ流し温泉は最高
熱海でワーケーションの問題点 食事で右往左往
まず困ったのが食事だ。静岡県は緊急事態宣言の延長に伴う措置として、酒類やカラオケを提供する飲食店には休業を、それ以外の飲食店は午前5時~午後8時までの時短営業を要請している(30日まで)。通常なら大勢の観光客や地元客でにぎわう熱海銀座界隈の小料理店やスナックはほとんどが休業中で壊滅状態だ。熱海銀座商店街や熱海駅前平和通り名店街、熱海仲見世通り商店街を回ると海鮮料理店が数軒営業していたが、マグロ赤身丼やシラス丼はだいたい1000円から1500円、キンメダイ定食は3000円前後とかなり値が張る。困ったときの牛丼チェーン店も見当たらない。
そこで宿から15分ほど歩いた中央町にある大型スーパーのマックスバリュ熱海店に行き、数日分の総菜類を買い込んで部屋で食べることにした。天津丼弁当399円、蒸し鶏中華和え128円、コロッケ50円、卵4個入りパック138円、袋麺88円、ベビーチーズ98円、カツオ刺身350円。ちなみに缶ビールは248円(500ミリリットル)で熱海駅構内のコンビニより40円ほど安い(すべて税込み)。
温泉は徳川家康のお気に入り 火照った体にビールは最高
発泡酒の淡麗極上を6缶(1本188円)買い足して宿に戻り温泉に浸かった。熱海市の公式ホームページを見ると「徳川家康は、関が原の合戦前に熱海に入湯し、その温泉パワーをもらって天下統一を成し遂げたとも言われています」と書かれている。ぜいたくな源泉かけ流し温泉で火照った体にキンキンに冷えたビールをグビグビ。これは最高だ。実に癒やされる。
ただ、部屋食も毎日続けると飽きてくる。外の食事が恋しくなって営業中の海鮮料理店を再度のぞいてみると、大学生風の若い男女カップルで占拠されている。午前11時半から長い行列を作っている人気店もあり店内は大混雑だ。足を踏み入れるのに勇気がいる。他の店も同様の“密”状態だ。繁華街では中高年の姿が消え、代わって夏休み中と見られる若者カップルが閑散とした街中を熱海名物のプリン片手に楽しそうに歩き回っていた。